(archive) 番外編 ヴェローナの野外オペラ観劇・感激!天国と地獄
もう、こういう語呂合わせっつうんですか?好きなの。わたし。
ヴェローナの野外オペラに一度は行きたい!という友人の希望で6月のある週末ヴェローナに観劇しに行きました。
ヴェローナはおなじみロミオとジュリエットの舞台となった町です。イタリア名でジュリエッタの家、とかバルコニーなんてあってね。一大観光名所となっております。おまけにバルコニーの下にジュリエッタの像が立ってて(下にいるのはフツー、ロミオや思うけど)その右胸にさわると「幸せな結婚ができる」って大騒ぎ。胸にさわったポーズで写真をとるやからが山のようにひとだかりになってて、ミーハーなわたくしもしっかり触ってしまいましたわ。おそいかもしらんが。でもピサの仇討ちだもんね。なんてこんなことを言っても「シエナ色のトスカーナ」(工事中)を読んでもらわないとわからんなあ。まだ完結しとらんのですが。あとさきになってしまいます。
そう、何年か前に来たときは、こんなにひともいなかったし、隣にみやげ物ショップなんてのもなかったと思う。そのとき胸には触らなかったからなあ、それでやろか?
ごめんね。ひとりごとしてます。いきなり、余談だらけになってしまいましたが番外編やからまあ、ええか。
まずオペラの話をせなあかん。
ヴェローナは毎年、夏の間、紀元前?からある野外劇場でオペラのフェスティバルが開催され、世界各国からオペラフリークが集まります。ずーっと行きたい、行きたいと思っていたフリークのひとり、友人I といっしょに、ちゃんとしたオペラなぞ見たことない*わたしが初体験として参加しました。
ロンドンでも、ホランドパークや、リージェントパークの野外劇場が夏の間だけ、オープンしたりします。オペラではないけれど、野外劇場のバレエや、恒例シェイクスピアのだしものは見たことがあります。
しっかし、このアリーナ(イタリア語でアレナ)はすごい。
土曜日は Turandot** の初日で、I の目的はひとつ、日曜日の Aida *** だったんだけれど、せっかく行くし、両方見よう、ということで、ぜいたくにも観劇の連チャンしました。土曜日は石の野外席(どっちにしても野外なのだが)の番号なしの自由席。25ユーロなり。日曜日はぜいたくに上から2番目のオーケストラ席。110ユーロ。椅子つき。
これがけっこう、天国と地獄でしたね。かねの差はある。
アレナオペラ初体験の石の席の日。入り口がわからず、中途半端に時間が調整できなかたわたしたちは、(だって、夜の9時15分から始まるんだぜ)迷いに迷い、ついにアレナを一周してもとにもどる。どう考えたって、聞くひと、係りのひとごとに言うこと違うんやもん。6番の入り口だと言われ捜すがそんな番号はない、やっと入りえた入口は番号がついてないんだもん。どうやって捜せっつうの???
おまけに、目的の自由席エリアに行くまで、石の階段をよじ登るって感じ?それも一段一段が高い。高さがある、ハイヒールではぜえったい無理。開幕間際にやっと着席。やれやれ。昼間の好天気に反映され、石台のシートはあったかい。太陽の恵みを十分に吸い込んでるってかんじ。ほとんど始まる一分前くらいに席につく。客席は満員。ひとで埋まっていて通路に座っているような感じ。まさに石の階段に座っているのですな。まわりを見るとけっこうお年を召したカップルなんぞがいらして、ここまで登ってくるのはわたしたちのように若くても?たいへんだなあと。
甲子園球場のように、「かちわり~」じゃないけどビールや水売り、が来るんだけど、あれってたいへんなバイトや思うわ。横に(すなわち平行に)移動しているボーイたちがほとんど。縦に移動するのはさぞかし、体力がいるで。アイスボックスにゆうにダースくらいのビンや缶のひとケースを抱えてたら。
始まってみましたら、舞台は遠い彼方。でも、上から見下ろすような感じで、なかなかいいかも。星空と風のざわめき。鳥なんかが上空をゆうるりと横切っていくぞ。
プログラムを見てから叫ぶI(アルファベットのアイ、です)。なんと、(わたしは知らんかったけど)あの、今をときめく若手男性歌手 ホセ・クーラ Jose Cura がカラフ役だったのです。アルゼンチン生まれの彼は、容姿、声量、声のよさ、と三拍子そろったアイドルらしい。「彼がでてるんやったらいい席にするんやった」
遅い。
わたしはお目にかかるの初めてやったけど、うんうん、確かにかっこいいわ。声もいいし。ふつう、年期の入ったオペラ歌手って、声量で物いわすからか、けっこう体格よくってストーリーから想像するような「美男子、貴公子」ふうのひとってあまりいないやん。
後半のハイライト、アリア「誰も寝もやらず」、どっかの国のコマーシャルに採用されてた聞き覚えのある歌はいつまでも彼の声の色と感動とともに耳にまとわりついていました。
外へ出ないとトイレにいけない状態で、そのためには石の階段を大またに上り下りするのが非常にたいへんでありました。この「番号なし石段席」の何千人のひとたちが、たったひとつの仮設プレハブトイレを使うのか、と思うとちょっとたいへん。わたしは我慢しました。
翌日。一日目に懲りてせっかく持ってきたおしゃれなハイヒールもはくのをやめたI。
もう場所はわかってるからね。入り口だけ違うだろうけど。今夜はなにせ、上から二番目(の料金の席)だし。石段もないし。おお、やはり、違う。専用のトイレが中にある!そうか、オーケストラ席のひとたちは専用のトイレがあるのだ。トイレの話ばかりですみません。トイレは四ブースのうち3つまでが、いわゆるトルコ式トイレなんですの。パリの古いカフェとかでも時々こういうのがあるけど、そういえばロンドンで見たことはないなあ。イギリス人は進んでいるのか??
座席も石でなく、椅子がある。真中の列は一番高い席で、椅子のクッションまでビロード風で、よさそうであるが。わたしたちは左端、とはいえ、舞台から3列目!なんと目の前に専用バーまである!ワイン、ビールに加え、昨日はなかったシャンパンが。う~ん、やはり、違うわ。席にいるひともおしゃれな格好しているひとが多い。
アイーダの舞台装置がこれまた見事です。このアレナのオペラは毎日違う題目を掲げているのですが、昨夜のトゥーランドットの北京門風中国系配置ところっと変わってエジプトのピラミッド、スフィンクスに変えるっつうのもたいへんだったであろうなあ。
迫力ある舞台で、感激い。オペラ観劇には体力がいるぅ~が実感。
夜9時すぎから始まってこのアイーダは幕間の休憩も入れて、なんと4時間近く、終わったのが、夜中の1時前。アレナの前の数あるカフェレストランはまだ開いていて出てくるお客さんを待ち構えています。観劇前に中途半端に飲んだわたしたちでしたが、また食べれるとばかりにレストランへ。ほんま、体力いるわ。
イタリア人って、タフ!
ヴェローナはヴェネト州。ここの有名ワインは白ならソアヴェ、赤はヴァルポリチェッラ。地のワインで、白のクストーザもとってもフルーティで飲みやすく良かったわ。
馬肉のハム、もありましたが、友人の却下でたべませんでした。いわゆるジビエ(英語でゲームという山のお肉、猪、熊、馬系)が得意みたいです。でも魚介類もありました。
シンプル・イズ・ベスト。新鮮なトマトとバジルだけのスパゲッティにはまった友人はロンドンに帰ってきてからも、せっせと毎日それを作って食べていることでしょう。
夏のスパゲッティって感じですね。一度おためしあれ。
やはり、最後は食でしめくくり。でしたね。
筆者注)*ほんというと、ウィーンの小澤征爾氏指揮のオペラに言ったんだよね。11月に。
Turandot** プッチーニ作。中国が舞台になっているが、いわゆる「かぐや姫」ものがたり。美しきお姫様(トゥーランドット)が、婿殿を選ぶのに、謎を与えます。正解者には姫をひとり!差し上げます、しかし、なぞが解けなければ首切りになるという恐ろしきお姫様です。姫の美しさに魅了された何人もの各国の王子たちが謎解きに挑戦しますが、生きて帰ってきたものはない、と。ここでダッタンの王子カラフが謎を解き明かすという物語。
Aida *** ヴェルディの名作。こちらはまさに、エジプト版「ロミオとジュリエット」。
上記のプッチーニの生まれた土地ルッカに行ったおり(これも「シエナ色のトスカーナ」に通じるのですが)知ったのですが、このアイーダを見て、自分もオペラ作曲家になる決意をした、とか。同名のおじいさんもその職だったらしいが。あれ?おとうさんやったけな?もう、わたしって、こんなもん。
壮大なエジプトを舞台に仇同士の主人公(実はエチオピアの姫)アイーダとエジプト軍のラダメスと恋におち、彼と婚約者であるエジプト王の娘、アムネリスの三角関係となります。最後は二人して、心中してしまうのです。
イタリア関連 小説を入れておこう 同じ年に行ったはず
「番外編 トスカナ叙情2003」 シエナはまだまだかかりそう。。。。
2003年7月4日
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..July 2003
ヴェローナの野外オペラに一度は行きたい!という友人の希望で6月のある週末ヴェローナに観劇しに行きました。
ヴェローナはおなじみロミオとジュリエットの舞台となった町です。イタリア名でジュリエッタの家、とかバルコニーなんてあってね。一大観光名所となっております。おまけにバルコニーの下にジュリエッタの像が立ってて(下にいるのはフツー、ロミオや思うけど)その右胸にさわると「幸せな結婚ができる」って大騒ぎ。胸にさわったポーズで写真をとるやからが山のようにひとだかりになってて、ミーハーなわたくしもしっかり触ってしまいましたわ。おそいかもしらんが。でもピサの仇討ちだもんね。なんてこんなことを言っても「シエナ色のトスカーナ」(工事中)を読んでもらわないとわからんなあ。まだ完結しとらんのですが。あとさきになってしまいます。
そう、何年か前に来たときは、こんなにひともいなかったし、隣にみやげ物ショップなんてのもなかったと思う。そのとき胸には触らなかったからなあ、それでやろか?
ごめんね。ひとりごとしてます。いきなり、余談だらけになってしまいましたが番外編やからまあ、ええか。
まずオペラの話をせなあかん。
ヴェローナは毎年、夏の間、紀元前?からある野外劇場でオペラのフェスティバルが開催され、世界各国からオペラフリークが集まります。ずーっと行きたい、行きたいと思っていたフリークのひとり、友人I といっしょに、ちゃんとしたオペラなぞ見たことない*わたしが初体験として参加しました。
ロンドンでも、ホランドパークや、リージェントパークの野外劇場が夏の間だけ、オープンしたりします。オペラではないけれど、野外劇場のバレエや、恒例シェイクスピアのだしものは見たことがあります。
しっかし、このアリーナ(イタリア語でアレナ)はすごい。
土曜日は Turandot** の初日で、I の目的はひとつ、日曜日の Aida *** だったんだけれど、せっかく行くし、両方見よう、ということで、ぜいたくにも観劇の連チャンしました。土曜日は石の野外席(どっちにしても野外なのだが)の番号なしの自由席。25ユーロなり。日曜日はぜいたくに上から2番目のオーケストラ席。110ユーロ。椅子つき。
これがけっこう、天国と地獄でしたね。かねの差はある。
アレナオペラ初体験の石の席の日。入り口がわからず、中途半端に時間が調整できなかたわたしたちは、(だって、夜の9時15分から始まるんだぜ)迷いに迷い、ついにアレナを一周してもとにもどる。どう考えたって、聞くひと、係りのひとごとに言うこと違うんやもん。6番の入り口だと言われ捜すがそんな番号はない、やっと入りえた入口は番号がついてないんだもん。どうやって捜せっつうの???
おまけに、目的の自由席エリアに行くまで、石の階段をよじ登るって感じ?それも一段一段が高い。高さがある、ハイヒールではぜえったい無理。開幕間際にやっと着席。やれやれ。昼間の好天気に反映され、石台のシートはあったかい。太陽の恵みを十分に吸い込んでるってかんじ。ほとんど始まる一分前くらいに席につく。客席は満員。ひとで埋まっていて通路に座っているような感じ。まさに石の階段に座っているのですな。まわりを見るとけっこうお年を召したカップルなんぞがいらして、ここまで登ってくるのはわたしたちのように若くても?たいへんだなあと。
甲子園球場のように、「かちわり~」じゃないけどビールや水売り、が来るんだけど、あれってたいへんなバイトや思うわ。横に(すなわち平行に)移動しているボーイたちがほとんど。縦に移動するのはさぞかし、体力がいるで。アイスボックスにゆうにダースくらいのビンや缶のひとケースを抱えてたら。
始まってみましたら、舞台は遠い彼方。でも、上から見下ろすような感じで、なかなかいいかも。星空と風のざわめき。鳥なんかが上空をゆうるりと横切っていくぞ。
プログラムを見てから叫ぶI(アルファベットのアイ、です)。なんと、(わたしは知らんかったけど)あの、今をときめく若手男性歌手 ホセ・クーラ Jose Cura がカラフ役だったのです。アルゼンチン生まれの彼は、容姿、声量、声のよさ、と三拍子そろったアイドルらしい。「彼がでてるんやったらいい席にするんやった」
遅い。
わたしはお目にかかるの初めてやったけど、うんうん、確かにかっこいいわ。声もいいし。ふつう、年期の入ったオペラ歌手って、声量で物いわすからか、けっこう体格よくってストーリーから想像するような「美男子、貴公子」ふうのひとってあまりいないやん。
後半のハイライト、アリア「誰も寝もやらず」、どっかの国のコマーシャルに採用されてた聞き覚えのある歌はいつまでも彼の声の色と感動とともに耳にまとわりついていました。
外へ出ないとトイレにいけない状態で、そのためには石の階段を大またに上り下りするのが非常にたいへんでありました。この「番号なし石段席」の何千人のひとたちが、たったひとつの仮設プレハブトイレを使うのか、と思うとちょっとたいへん。わたしは我慢しました。
翌日。一日目に懲りてせっかく持ってきたおしゃれなハイヒールもはくのをやめたI。
もう場所はわかってるからね。入り口だけ違うだろうけど。今夜はなにせ、上から二番目(の料金の席)だし。石段もないし。おお、やはり、違う。専用のトイレが中にある!そうか、オーケストラ席のひとたちは専用のトイレがあるのだ。トイレの話ばかりですみません。トイレは四ブースのうち3つまでが、いわゆるトルコ式トイレなんですの。パリの古いカフェとかでも時々こういうのがあるけど、そういえばロンドンで見たことはないなあ。イギリス人は進んでいるのか??
座席も石でなく、椅子がある。真中の列は一番高い席で、椅子のクッションまでビロード風で、よさそうであるが。わたしたちは左端、とはいえ、舞台から3列目!なんと目の前に専用バーまである!ワイン、ビールに加え、昨日はなかったシャンパンが。う~ん、やはり、違うわ。席にいるひともおしゃれな格好しているひとが多い。
アイーダの舞台装置がこれまた見事です。このアレナのオペラは毎日違う題目を掲げているのですが、昨夜のトゥーランドットの北京門風中国系配置ところっと変わってエジプトのピラミッド、スフィンクスに変えるっつうのもたいへんだったであろうなあ。
迫力ある舞台で、感激い。オペラ観劇には体力がいるぅ~が実感。
夜9時すぎから始まってこのアイーダは幕間の休憩も入れて、なんと4時間近く、終わったのが、夜中の1時前。アレナの前の数あるカフェレストランはまだ開いていて出てくるお客さんを待ち構えています。観劇前に中途半端に飲んだわたしたちでしたが、また食べれるとばかりにレストランへ。ほんま、体力いるわ。
イタリア人って、タフ!
ヴェローナはヴェネト州。ここの有名ワインは白ならソアヴェ、赤はヴァルポリチェッラ。地のワインで、白のクストーザもとってもフルーティで飲みやすく良かったわ。
馬肉のハム、もありましたが、友人の却下でたべませんでした。いわゆるジビエ(英語でゲームという山のお肉、猪、熊、馬系)が得意みたいです。でも魚介類もありました。
シンプル・イズ・ベスト。新鮮なトマトとバジルだけのスパゲッティにはまった友人はロンドンに帰ってきてからも、せっせと毎日それを作って食べていることでしょう。
夏のスパゲッティって感じですね。一度おためしあれ。
やはり、最後は食でしめくくり。でしたね。
筆者注)*ほんというと、ウィーンの小澤征爾氏指揮のオペラに言ったんだよね。11月に。
Turandot** プッチーニ作。中国が舞台になっているが、いわゆる「かぐや姫」ものがたり。美しきお姫様(トゥーランドット)が、婿殿を選ぶのに、謎を与えます。正解者には姫をひとり!差し上げます、しかし、なぞが解けなければ首切りになるという恐ろしきお姫様です。姫の美しさに魅了された何人もの各国の王子たちが謎解きに挑戦しますが、生きて帰ってきたものはない、と。ここでダッタンの王子カラフが謎を解き明かすという物語。
Aida *** ヴェルディの名作。こちらはまさに、エジプト版「ロミオとジュリエット」。
上記のプッチーニの生まれた土地ルッカに行ったおり(これも「シエナ色のトスカーナ」に通じるのですが)知ったのですが、このアイーダを見て、自分もオペラ作曲家になる決意をした、とか。同名のおじいさんもその職だったらしいが。あれ?おとうさんやったけな?もう、わたしって、こんなもん。
壮大なエジプトを舞台に仇同士の主人公(実はエチオピアの姫)アイーダとエジプト軍のラダメスと恋におち、彼と婚約者であるエジプト王の娘、アムネリスの三角関係となります。最後は二人して、心中してしまうのです。
イタリア関連 小説を入れておこう 同じ年に行ったはず
「番外編 トスカナ叙情2003」 シエナはまだまだかかりそう。。。。
2003年7月4日
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..July 2003
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