53 ごみとリサイクル

わたしは現在のところハリンゲイ Haringey  という *borough (発音注意!バラと読みます。ボロとも聞こえる。区のようなものですね)に住んでいます。最寄の地下鉄駅アーチウエイはイズリントン地区、近くのハムステッド・ヒースはカムデン地区、と3つのバラに徒歩圏です。最近ごみ収集係りのストがありました。これはハリンゲイだけ。
住んでいるのがいわゆる集合住宅なので、ごみは週に一回、月曜日の朝、カウンシルから収集にきます。ごみ箱の大カートンが6台ほど、前日に、入り口の通路のところに寄せられ、終わるとまた塀のところに戻されます。
各階にもごみ袋サイトがあって(日本のマンションのシューターではありません、ただの置き場)入れておくと週一回掃除のおねえさんがまとめて下まで持っていってくれるのですが夏場そこに置いておくとよからぬニオイがするし重くなるので悪いと思い、ここには新聞雑誌、果物トレイの類だけ入れて生ごみはまとめて下の大ごみ箱まで都度持っていってました。そう、生ごみは1週間でスーパーの袋に2-3個はたまるのです。
ところがこの2-3週間ほど、通路にごみ台が寄せられたまま、からにならないまま、ずーっとおいてあるのです。はじめは建物前の道路工事のためにごみ収集車が入ってこれないのか、と思いましたが実はこれ、ストライキだったんですね。
遅まきながら当局からのお知らせも入っていましたが、遅い!そのちらしには「ストはいつまでかかるかわからない。リサイクルは滞りなく行っておるので、リサイクルするように」それって責任転嫁じゃないのぉ?
テレビのニュースにもついに登場。自分が住んでる地域が画面で紹介されるってなんかミーハーだがうれしい。もちろん、うちの近所ではないのですが。道端に置いてあるごみがあふれてハエがたかってる様子と住民が文句言ってる様子の内容。ハエのみならずねずみまで来るところもあるらしく、不潔この上ないですね。それを避けるため塩をまいとくと良いそうですが、ほんとかいな。
向かいのおばあちゃんは、当局に抗議しようとしたが、電話は録音になっていてだれも出ないのよと言います。そうね、そういう苦情が多いだろうから、だれも返事したくないと思います。
はて、このたまってくるごみの山をどうするべきか。身につまされるわよ。ごみだけに。普段であればふたがちゃんとしまってる大箱もここにきては、ふたできないほどごみの袋であふれています。部屋においとくとまた臭うのよね。自分の身は自分で守るしかない。せめてものごみの量を減らすにはリサイクルだあ。
ロンドンは日本のように分別ごみ方式は基本的にやっておりません(多分イギリス人にはできないんだと思ってましたが。失礼)ごみだしは、みんなまぜごちゃ。ごちゃまぜ。楽でいいが。もちろん、駅、駅の近くや道路のわきにリサイクルカートがあって、分別して入れるようになっているのですが、今まで気にしたことがありませんでした。

ビン、ボトルなどのガラス類は色分け。
1)透明 2)緑 3)茶色 そのほかに4)缶類 5)新聞・雑誌類 6)その他
この1)から5)まではブースがだいたいどこのリサイクルポートにもあるのですが、日本でいう牛乳パック類(イギリスの牛乳は紙パックでなくプラスチックに入っている。ジュース類が紙パック)をリサイクルするところがないのです。6)その他 の表示があるところも、入れていいものは 1)から5)と同じ。重複するんですね。入れていい、となっているものにペットボトル類は入るけど、プラスチックや果物トレイが入っていません。なんでやのん?あれってけっこうかさばるし、増えるものねえ。せっかく持ってきたのに入れるところがないから横にあった「ごみ箱」に捨てました。何のリサイクルにもなっとらんなあ、これじゃ。
何箇所か見ましたが、だいたいが1)から5)まで。6)のあるところに cardbord card(段ボールの類)を見つけましたが、どうもプラスチックトレイはないようです。イギリスではリサイクルしないのかしらん。それに6)は、ビンでも缶でもペットボトルでも、なんでもひとつの箱に入れていいんです。分別するにもできない何でもありのイギリスらしいのかも。それとも単に分別するのがじゃまくさい、と思うひとにリサイクルをカンタンに促す手なのかも?
普段ごみを出すところにリサイクルカートがあるわけではないし、リサイクルしに、わざわざ重いビンなどをかかえて足を運ばねばなりません。わたしのようにじゃまくさがりやには極めて不便です。ますますリサイクルから遠ざかるような気がしてきます。いやいや、いかん。資源のためにがんばるのよ!
日本のように、空きビンと引き換えに何十円、とか返してもらえるのであれば計算高いわたしのような輩にも率先できるのでしょうが。
テスコというスーパーでは最近、店のビニール袋を使わず、自分で袋を持っていくと**カードのポイントをつけてくれる、というのを始めました。持参する袋は何でもよく他スーパーの袋でもよいのです。イタリア、フランスに旅行するときは布製の「お買物袋」を持って行くのに、イギリスではとんと使っていないことに気が付きました。これからスーパーに行くときには持っていかなくっちゃ。
1回料理すると台所の小さいごみ箱がいっぱいになるわたし。この機会にごみを減らす努力をして、真剣にリサイクルを考えるべきなのでしょうなあ。

<うんちく (久々)>
*borough  ロンドンには32のバラ(特別区)とシティ・オブ・ロンドンの合計33区があります。ちなみにカウンシルが区役所、市役所のようなものです。、
**スーパーのカードのポイント スーパーは各社自分のところのクラブカードを作ると買物時にポイントをつけてくれます。買う数にもよるし、ものによって、倍のポイントがついたりします。それを貯めると、割引券になったり、旅行の得点になったり、商品と引き換えられたりします。

<後日談>
ニュースでこの月曜日には回収再開!と言っていたのに、月曜日になってもごみ箱はそのままでした。ひぇ~、またいつまでかかるの?と思っていると、向かいのおばあちゃん、ついに自ら、にわか「ごみおばちゃん」になり、同じ階のごみを集めてまわっておりました。段ボール紙袋にまとめて入れて下に持って行っただけやけど。これがきいたのか、どうか、翌火曜日に片付いてました。まあ、広い地区中、たまりにたまったごみごみを一度では片付けられまい、とは思いますね。ストやるとあとの方がたいへん。

2006年8月22日        
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