21 セール&ザ・バーゲン・巻末おまけ情報つき
買物はおんなの究極の欲ね。1月は何を隠そう(隠さんでもええか)、セールの季節です。
英語でセールSALE、フランス語ではソルド SOLDE 。
売リまくるぞ、ええい、持ってけい、売切れるまで、って感じでしょうか。
お金も欲しい物も物欲もないので、尼のような生活を送っている(本気にするなよ)わたしのようなものからしますとあまり興味はないのでありますが今は。デパートやブティックなど、お店のウィンドウが「SALE」「SALE UPTO 70%」 などという赤い大きな文字や看板で覆われると思わず、つられて入りたくなりますよね。「30%引き」とか「半額!」ってのに弱いおんなごころ。「半額」!で買ったあ、と喜んでいても、それを買わなければ、その半額のお金も使わずにすんだのにね、という法則に気が付かない。
セールはやはり、買いたいものの目的を持って、現場に乗り込むべきです。それも初日に。ヨーロッパのセールはだいたいいいものが、そのままディスカウントになりますから日本のように、セール品ではじめから作るってことはないようです。ただし、自分のお目当てのもの、いいものは、サイズも含め、初日に行って買わないとなくなる。セール期間が長くなり、日がたつと、どんどん、30%⇒50%⇒70%と安くなっていくのですが、残りもん、になってしまいますね。その残りもんがほしかったもん、という場合はとってもラッキィかもね。ここまで待ったかいがあったぜ、というか。反対に早めに買っちゃって、同じ物が数日後そのまた半額、くらいになってたらショック。
今年はバーバリーのコートを一生つかいもんで買うぞ、とか。
ウエッジウッドのティーセット36ピースを一生つかいもん用に購入するのよ。
ということでないと、セールの目的は達成できませんでしょう。
今年、例年に比べ特に人で賑わうオックスフォード通りやリージェント通りを歩いていて思う。外国人が多い。そら、歩いてるわたしも外国人やけど。フランス、イタリアくんだりから来ておる。フランス語、イタリア語が飛び交っておる。
今、お隣さんフランスを始め、近隣諸国はほとんど通貨はユーロになっているし、イギリスはロンドンほど物価の高いところは他のヨーロッパの都市にないでしょう、と言いたいところで、なんで安いユーロ圏で、しかも、自国のブランドが安く買える、と思われるようなヨーロッパ人がいっぱい来てますの?何を買いにくるのでしょう。バーバリーかな?アクアスキュータム?
ボンドストリートにある洋品ブティック街のお店はほとんど、ヨーロッパ大陸組。
フランス組 エルメス=イギリス人はハーメスとはっちょんする
ピエール・カルダン=ピーター・カーディン
シャネル=シャネルかな? チャネルかもしれん。
イタリア組 プラダ。アルマーニ。マックス・マラ。フェラガモ。セルッティ。
フペイン組 ロエベ。サラ。マンゴ。
ブランド物にはお知りあいになる機会も縁もございませんわたしですが、以上のようにだいぶ覚えました。「ブランドをお持ちのヨーロッパ国のお客様は安い自分の国でお買いになってくださいまし!」それとも、それ以外の国からの外国人観光客のみなさま、例えば「寒く安いセールの1月にロンドンで買物をしよう」ツアーに来られている日本人の金持ちの方々がご購入になるのかしら。ロンドンでルイ・ヴィトンなんぞを。
毎年1月のセールの時にはミラノにショッピングに行くの、なんて言ってるロンドン在住の日本人の知り合いもいます。ちょっとセールに買物にミラノ、っつうのと、ちよっとおいしいもん食べにパリに、と言うのとどっちが勝ち?価値あり?かなあ。
わたしゃ、食い気。
セールの時は店員さんも殺気だってるから、ふつうのものをほしいときに捜せない!
いつもは置いてあるものが、セール品に侵害されてお蔵入りになってしまって、おいてない。なくなっている。じっくりとたのまれ物など捜そうとするときはセールが終わってからの方がいいですね。
買物はわたしの「書きもの」といっしょで、ストレス発散の一環でしょうな。特にイギリス人はストレス発散を買物でする、となんかで言ってました。「買う」「お金をスペンドする」ってのがいい。消費するっつう、そこんところに意義がある。Spend, Spend, Spend っつうミュージカルもあったような。見てないですけど。
でもまあ、なんだかんだ言っても、使うお金がなければ買うこともできないし。湯水のように使うという表現もありますが。ある程度まで行くと神経が、マヒしちゃうのかも。1000ポンド、200(0)0ポンドの商品ばかりを見ていると50ポンドくらいなにさ、と言うことになってしまうのでしょうね。そんな気持ちに一秒でいいからなってみたい。
またカネ・カネ・カネ、になってしまいました。うちのお母様に「またカネ・カネ・カネとせこい。日本人として恥ずかしい」ってお叱りを受けそう。ごめんなさいませ。
今回は短かったので、おまけと言っちゃあなんですが、
緊急レポート 「ロンドン・激寒大雪の大混乱!」
日本も寒いそうですが、こちらも1月初旬に続いて今年2度目の寒波到来。またまた雪が降り、積もりました。先週の木曜日は朝から降るな、という様相でして、気温も3度と天気予報していましたので、分厚いいっちょうらのロングコートに、髪が乱れるので、やなんだけど帽子、もちろん手袋にマフラーにブーツの重装備で出勤。ちらほらしていた雪が昼頃にはけっこう降り続き、積るなあというようです。しかし、オフィスのあるオックスフォード通りは人通りも多いし、通りは雨が降ったかのような程度で、雪の気配はありません。帰ったら家の近所は多分積ってるよな、と思いつつ夜、買物をスーパですませ、いざ、地下鉄駅へ。途中、バス停にえらくひとが多いなと思いましたが、先週週末のセントラル線の事故*の影響か、と思っていました。地下鉄ボンド・ストリート駅に着くと、閉まってる!鉄策で閉まってる。なに?で、前のバス停にはひとがあふれとる。ひえええ、なんで?とりあえず、仕方ないので、バスを待つ。しかし、バスどころか、車の影もこのオックスフォード通りの上にない。どうしたこっちゃら。他の駅に行ってまた閉まってたら無駄だし。しかし、この寒い中、じっと立っているだけでしもやけになりそうである。地下鉄駅の前に捨て置かれたような夕刊紙の台の広告が「Tube Lines Closure Shock」。やっぱ地下鉄全線閉まっているのか?読みたかったけど、雪どけのどろどろのみぞれ状態の下に新聞がおいてあるので、(それとも、雪だまが屋根からすべり落ちてきたのか?)ぬれてるから、やめとこ。
ああ、しかし、この寒さには耐えられそうにないぞ。うろうろ。
していると、そこに偶然知り合いの姿を発見。彼女は友人2人と一杯気分で帰路の途中ってかんじ。方向も同じだし、4人になったので、タクシに乗ろう、と意気投合。4人ならね、割り勘できるし。
しかし。バスのみならず、タクシも来ない。車両がいないんですもの、この凍りついた通りの上には。そういえば、反対車線もぜんぜん車がいなくて、わたしたちの乗りたいバスの番号はさっきからまったく一台も来ないの。
しゃーない!ここで待っていても埒があきそうにないので、もうひとつ北へ、家の方向へ向かいつつ、タクシの拾えそうなところまで歩くことにしました。シャーロックホームズで有名なベイカー・ストリート駅に着くと閉まってる。やっぱし。方向の違うひとりは近くのメリルボン駅まで行って、唯一動いているというベイカールー線にトライすることに。あとの同じ方向の3人はふたたび北へ向かって歩き出します。が、リージェントパークをすぎると途端にロンドンは北の最果ての町状態。歩道が凍ってまっちろ。ざくざくざくとカキ氷状態の雪の歩道をわたしの友人はハイヒールで歩いていた。完全武装のわたしはブーツだし、大丈夫。でもつるっとすべりやすそう。歩きもってタクシを拾いたいが、なかなかカラのは来ない。足元を注意しながら来るタクシをチェックするのは至難のワザに近い。ほとんどひと駅歩いたくらいのところでやっと拾えたか?しかし、フィンチリーロード方面へ行ってくれ、というと即座に断られる。何台目かに渋滞がひどいので行っても1時間以上、かかるよと言われ、それでみな、断っていたのだな、とわかる。しかし、わたしたちも早く家に帰りたいのよ。スイスコテージもだめ、じゃ、キルバーンハイロードは?というと、そこだったら行くという。やれやれ。やっとのことで車に乗り込み、安心したのも束の間。ちょっと走ったらやっぱり渋滞。メータはあがるが、先に進まない。やっぱあ、だめかあ。これじゃ、バスを待ってても来なかったわけね。
運転手さんも早く帰りたいらしい。これじゃ進まないともう一歩も動かなくなったとき、ついに、降りてくれと言われてしまい、また雪道をあとふた駅は歩くはめに。ざくざくさむさむの雪道を滑らないよう、おなかに力いれて歩いて帰り、家にたどりついたのは夜の11時半でした。実に2時間半のジャーニー。バスを待っていた時間も入ってはいますが。
しかし、雪が降ってなんで地下鉄が止まるの?それも、そんな大雪というのでもなかったのに。ロンドンには雪は降らんのか?こんなことでおたおたしてたらシベリア人はどうすんねん。ロンドンの地下鉄と言っても郊外へ伸びると地上に出ますからね。そこで雪に閉ざされてしまったのでしょうか。翌日も動いてなかったらバスに乗らねば、でもバスも道路が凍りついてて動かなかったらどないしょう、と考えるとこわかったのですが、わたしの最寄駅はここから地下に入るので、大丈夫だったのです。しかし2つ向こうの地上駅へはもう行かないとのことで手前で運行中止状態でした。地下鉄もさることながら郊外道路はもっとたいへんだったようで、うちの家の前のわき道まで(一応ローカルなバス道なんだけど)車が動かないのろのろ状態でした。大きな道路が混み合っているから、わき道めざしてみんな入ろうとするのだろうけれど。そこでまた止まってしまうのですね。道路はアイスバーンになっていて、タイヤが空回りしてるようなスポーツカーがいて、こわそうでした。すべってぶっつけられでもしたら、他の車も迷惑よね。
大雪寒波警報が出ていたのに、道路公団の準備がコテコテに遅かったと非難されていました。帰宅途中で車やバスに閉じ込められたまま夜を過ごしたひともいたそうで。ほんとうにご苦労さまです。
ロンドン北部ほとんどケンブリッジの方にあるスタンステッド空港は一日閉鎖。ヒースローからの発着便もキャンセルが出たり、遅れがでたり混乱を極めておりました。
ハートフォードシャーの小学校では、校庭にいた児童が倒れてきた木の下敷きになり死亡というかわいそうなことに。ベッカム御殿のある、ハートフォードシャーよ。
わたしはその夜やっとのことで部屋にたどりついたとたんに、ヒーターのあったかいパネルに両手両足をぴたっとつけ、暖を取ってしまいました(両方同時にあっためるのは至難のワザだが)。ああ、しあわせぇ。あったかいっていいな。
人間強いもので、ぜったいにしもやけになってる、とあやぶんだおみ足も大丈夫でした。が翌日起きるとお腹の筋肉が痛くて、腹筋運動を久しぶりにやったあとのようでした。下半身だけ運動した、っていう感じでしたね。運動不足に雪道散歩はいかが?
*地下鉄セントラル線の事故 1月25日に脱線からチャンセリーレーンの駅のプラットフォームに乗り上げるという事故で、幸い死亡者はいなかったようです。いまだにセントラル線全線動いてなくて、停止期間が一週間が二週間になり、一応2月13日から動く<予定>と言っておりますが、どうでしょうか。
みなさま、別にロンドンは怖いとこでもなんでもないんで。わたしは元気よ。ご心配なく。地下鉄の線が一本動いてないというと不便と言えば不便ですが、動かないのは普通でもそうだし。これ、日常だから。もっとこわいか?ますます観光客を遠ざけるよなあ。
2003年2月3日
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..February, 2003
英語でセールSALE、フランス語ではソルド SOLDE 。
売リまくるぞ、ええい、持ってけい、売切れるまで、って感じでしょうか。
お金も欲しい物も物欲もないので、尼のような生活を送っている(本気にするなよ)わたしのようなものからしますとあまり興味はないのでありますが今は。デパートやブティックなど、お店のウィンドウが「SALE」「SALE UPTO 70%」 などという赤い大きな文字や看板で覆われると思わず、つられて入りたくなりますよね。「30%引き」とか「半額!」ってのに弱いおんなごころ。「半額」!で買ったあ、と喜んでいても、それを買わなければ、その半額のお金も使わずにすんだのにね、という法則に気が付かない。
セールはやはり、買いたいものの目的を持って、現場に乗り込むべきです。それも初日に。ヨーロッパのセールはだいたいいいものが、そのままディスカウントになりますから日本のように、セール品ではじめから作るってことはないようです。ただし、自分のお目当てのもの、いいものは、サイズも含め、初日に行って買わないとなくなる。セール期間が長くなり、日がたつと、どんどん、30%⇒50%⇒70%と安くなっていくのですが、残りもん、になってしまいますね。その残りもんがほしかったもん、という場合はとってもラッキィかもね。ここまで待ったかいがあったぜ、というか。反対に早めに買っちゃって、同じ物が数日後そのまた半額、くらいになってたらショック。
今年はバーバリーのコートを一生つかいもんで買うぞ、とか。
ウエッジウッドのティーセット36ピースを一生つかいもん用に購入するのよ。
ということでないと、セールの目的は達成できませんでしょう。
今年、例年に比べ特に人で賑わうオックスフォード通りやリージェント通りを歩いていて思う。外国人が多い。そら、歩いてるわたしも外国人やけど。フランス、イタリアくんだりから来ておる。フランス語、イタリア語が飛び交っておる。
今、お隣さんフランスを始め、近隣諸国はほとんど通貨はユーロになっているし、イギリスはロンドンほど物価の高いところは他のヨーロッパの都市にないでしょう、と言いたいところで、なんで安いユーロ圏で、しかも、自国のブランドが安く買える、と思われるようなヨーロッパ人がいっぱい来てますの?何を買いにくるのでしょう。バーバリーかな?アクアスキュータム?
ボンドストリートにある洋品ブティック街のお店はほとんど、ヨーロッパ大陸組。
フランス組 エルメス=イギリス人はハーメスとはっちょんする
ピエール・カルダン=ピーター・カーディン
シャネル=シャネルかな? チャネルかもしれん。
イタリア組 プラダ。アルマーニ。マックス・マラ。フェラガモ。セルッティ。
フペイン組 ロエベ。サラ。マンゴ。
ブランド物にはお知りあいになる機会も縁もございませんわたしですが、以上のようにだいぶ覚えました。「ブランドをお持ちのヨーロッパ国のお客様は安い自分の国でお買いになってくださいまし!」それとも、それ以外の国からの外国人観光客のみなさま、例えば「寒く安いセールの1月にロンドンで買物をしよう」ツアーに来られている日本人の金持ちの方々がご購入になるのかしら。ロンドンでルイ・ヴィトンなんぞを。
毎年1月のセールの時にはミラノにショッピングに行くの、なんて言ってるロンドン在住の日本人の知り合いもいます。ちょっとセールに買物にミラノ、っつうのと、ちよっとおいしいもん食べにパリに、と言うのとどっちが勝ち?価値あり?かなあ。
わたしゃ、食い気。
セールの時は店員さんも殺気だってるから、ふつうのものをほしいときに捜せない!
いつもは置いてあるものが、セール品に侵害されてお蔵入りになってしまって、おいてない。なくなっている。じっくりとたのまれ物など捜そうとするときはセールが終わってからの方がいいですね。
買物はわたしの「書きもの」といっしょで、ストレス発散の一環でしょうな。特にイギリス人はストレス発散を買物でする、となんかで言ってました。「買う」「お金をスペンドする」ってのがいい。消費するっつう、そこんところに意義がある。Spend, Spend, Spend っつうミュージカルもあったような。見てないですけど。
でもまあ、なんだかんだ言っても、使うお金がなければ買うこともできないし。湯水のように使うという表現もありますが。ある程度まで行くと神経が、マヒしちゃうのかも。1000ポンド、200(0)0ポンドの商品ばかりを見ていると50ポンドくらいなにさ、と言うことになってしまうのでしょうね。そんな気持ちに一秒でいいからなってみたい。
またカネ・カネ・カネ、になってしまいました。うちのお母様に「またカネ・カネ・カネとせこい。日本人として恥ずかしい」ってお叱りを受けそう。ごめんなさいませ。
今回は短かったので、おまけと言っちゃあなんですが、
緊急レポート 「ロンドン・激寒大雪の大混乱!」
日本も寒いそうですが、こちらも1月初旬に続いて今年2度目の寒波到来。またまた雪が降り、積もりました。先週の木曜日は朝から降るな、という様相でして、気温も3度と天気予報していましたので、分厚いいっちょうらのロングコートに、髪が乱れるので、やなんだけど帽子、もちろん手袋にマフラーにブーツの重装備で出勤。ちらほらしていた雪が昼頃にはけっこう降り続き、積るなあというようです。しかし、オフィスのあるオックスフォード通りは人通りも多いし、通りは雨が降ったかのような程度で、雪の気配はありません。帰ったら家の近所は多分積ってるよな、と思いつつ夜、買物をスーパですませ、いざ、地下鉄駅へ。途中、バス停にえらくひとが多いなと思いましたが、先週週末のセントラル線の事故*の影響か、と思っていました。地下鉄ボンド・ストリート駅に着くと、閉まってる!鉄策で閉まってる。なに?で、前のバス停にはひとがあふれとる。ひえええ、なんで?とりあえず、仕方ないので、バスを待つ。しかし、バスどころか、車の影もこのオックスフォード通りの上にない。どうしたこっちゃら。他の駅に行ってまた閉まってたら無駄だし。しかし、この寒い中、じっと立っているだけでしもやけになりそうである。地下鉄駅の前に捨て置かれたような夕刊紙の台の広告が「Tube Lines Closure Shock」。やっぱ地下鉄全線閉まっているのか?読みたかったけど、雪どけのどろどろのみぞれ状態の下に新聞がおいてあるので、(それとも、雪だまが屋根からすべり落ちてきたのか?)ぬれてるから、やめとこ。
ああ、しかし、この寒さには耐えられそうにないぞ。うろうろ。
していると、そこに偶然知り合いの姿を発見。彼女は友人2人と一杯気分で帰路の途中ってかんじ。方向も同じだし、4人になったので、タクシに乗ろう、と意気投合。4人ならね、割り勘できるし。
しかし。バスのみならず、タクシも来ない。車両がいないんですもの、この凍りついた通りの上には。そういえば、反対車線もぜんぜん車がいなくて、わたしたちの乗りたいバスの番号はさっきからまったく一台も来ないの。
しゃーない!ここで待っていても埒があきそうにないので、もうひとつ北へ、家の方向へ向かいつつ、タクシの拾えそうなところまで歩くことにしました。シャーロックホームズで有名なベイカー・ストリート駅に着くと閉まってる。やっぱし。方向の違うひとりは近くのメリルボン駅まで行って、唯一動いているというベイカールー線にトライすることに。あとの同じ方向の3人はふたたび北へ向かって歩き出します。が、リージェントパークをすぎると途端にロンドンは北の最果ての町状態。歩道が凍ってまっちろ。ざくざくざくとカキ氷状態の雪の歩道をわたしの友人はハイヒールで歩いていた。完全武装のわたしはブーツだし、大丈夫。でもつるっとすべりやすそう。歩きもってタクシを拾いたいが、なかなかカラのは来ない。足元を注意しながら来るタクシをチェックするのは至難のワザに近い。ほとんどひと駅歩いたくらいのところでやっと拾えたか?しかし、フィンチリーロード方面へ行ってくれ、というと即座に断られる。何台目かに渋滞がひどいので行っても1時間以上、かかるよと言われ、それでみな、断っていたのだな、とわかる。しかし、わたしたちも早く家に帰りたいのよ。スイスコテージもだめ、じゃ、キルバーンハイロードは?というと、そこだったら行くという。やれやれ。やっとのことで車に乗り込み、安心したのも束の間。ちょっと走ったらやっぱり渋滞。メータはあがるが、先に進まない。やっぱあ、だめかあ。これじゃ、バスを待ってても来なかったわけね。
運転手さんも早く帰りたいらしい。これじゃ進まないともう一歩も動かなくなったとき、ついに、降りてくれと言われてしまい、また雪道をあとふた駅は歩くはめに。ざくざくさむさむの雪道を滑らないよう、おなかに力いれて歩いて帰り、家にたどりついたのは夜の11時半でした。実に2時間半のジャーニー。バスを待っていた時間も入ってはいますが。
しかし、雪が降ってなんで地下鉄が止まるの?それも、そんな大雪というのでもなかったのに。ロンドンには雪は降らんのか?こんなことでおたおたしてたらシベリア人はどうすんねん。ロンドンの地下鉄と言っても郊外へ伸びると地上に出ますからね。そこで雪に閉ざされてしまったのでしょうか。翌日も動いてなかったらバスに乗らねば、でもバスも道路が凍りついてて動かなかったらどないしょう、と考えるとこわかったのですが、わたしの最寄駅はここから地下に入るので、大丈夫だったのです。しかし2つ向こうの地上駅へはもう行かないとのことで手前で運行中止状態でした。地下鉄もさることながら郊外道路はもっとたいへんだったようで、うちの家の前のわき道まで(一応ローカルなバス道なんだけど)車が動かないのろのろ状態でした。大きな道路が混み合っているから、わき道めざしてみんな入ろうとするのだろうけれど。そこでまた止まってしまうのですね。道路はアイスバーンになっていて、タイヤが空回りしてるようなスポーツカーがいて、こわそうでした。すべってぶっつけられでもしたら、他の車も迷惑よね。
大雪寒波警報が出ていたのに、道路公団の準備がコテコテに遅かったと非難されていました。帰宅途中で車やバスに閉じ込められたまま夜を過ごしたひともいたそうで。ほんとうにご苦労さまです。
ロンドン北部ほとんどケンブリッジの方にあるスタンステッド空港は一日閉鎖。ヒースローからの発着便もキャンセルが出たり、遅れがでたり混乱を極めておりました。
ハートフォードシャーの小学校では、校庭にいた児童が倒れてきた木の下敷きになり死亡というかわいそうなことに。ベッカム御殿のある、ハートフォードシャーよ。
わたしはその夜やっとのことで部屋にたどりついたとたんに、ヒーターのあったかいパネルに両手両足をぴたっとつけ、暖を取ってしまいました(両方同時にあっためるのは至難のワザだが)。ああ、しあわせぇ。あったかいっていいな。
人間強いもので、ぜったいにしもやけになってる、とあやぶんだおみ足も大丈夫でした。が翌日起きるとお腹の筋肉が痛くて、腹筋運動を久しぶりにやったあとのようでした。下半身だけ運動した、っていう感じでしたね。運動不足に雪道散歩はいかが?
*地下鉄セントラル線の事故 1月25日に脱線からチャンセリーレーンの駅のプラットフォームに乗り上げるという事故で、幸い死亡者はいなかったようです。いまだにセントラル線全線動いてなくて、停止期間が一週間が二週間になり、一応2月13日から動く<予定>と言っておりますが、どうでしょうか。
みなさま、別にロンドンは怖いとこでもなんでもないんで。わたしは元気よ。ご心配なく。地下鉄の線が一本動いてないというと不便と言えば不便ですが、動かないのは普通でもそうだし。これ、日常だから。もっとこわいか?ますます観光客を遠ざけるよなあ。
2003年2月3日
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..February, 2003
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