67 ロンドンを褒める

いっつもロンドンはこうだ、ああだ、ひどい、信じられない、とネガティブなことばかり書いてるように見えますが(実際そうだが)いいことも書かなきゃね。ぶつぶついいながらも、ここが好きなんです。わたし。きっと。  
この前バスに乗ってたら、車椅子のおじさんが降りようとしていて、まわりのひとが助けてあげていました。車椅子のひとが乗り降りの場合は、バスの出入り口にランプという、補助滑り台のような板が出るのです。ロンドンバスは今3種類あって、ひとつが有名な2階建てのダブルデッカー、次が最近できた、ヨーロッパ式の横に2連結の長いやつ。あとは、一両だけの小さいやつ。バギーやお年寄りが乗る場合、小さいバスは車体を低くして、乗りやすいようにします。車椅子の場合は、まず車体を低くし、出入り口のランプを出し、それを利用して、バスから道路へ橋渡す、みたいなもんです。で、この日、おじさんが運転手に降りると言ったのにもかかわらず、聞こえなかったのか、発車しようとしたので、まわりにいた何人かが、おいおい、って、運転手を止めました。
中途半端に出発しようとしたので、止まったはいいが、ランプを出すところが、ごみ箱の前。こんなところでドア開けられても車椅子出れないよな。でまたドアを閉めて少し移動して、空間のあるところに停まろうとします。が、ランプがなかなか道路の歩道までかからない。道路と歩道の間に段差があるんですね。2回試みたが、だめ。どうしてもランプを渡せない。見かねたまわりのひとが、「ドア開けろ」。ドアが開いたところで、4人がかりで、車椅子ごとおじさんかかえておろしてあげました。この4人はみなそれぞれ見知らぬ他人同志。イギリス人でもない感じです。カップルで乗ってたおじさん、自分が持ってた荷物を連れの女の人に持ってて、と渡し、椅子運びを手伝います。外に出たら、またバスに乗って旅を続けるひと、そこで降りるひと、ばらばら。いいなあ、こういうのって。当のおじさんが、当然とばかりに何も言わず歩道に下ろしてもらったら車椅子でさっさと行ってしまったのが一番ショック。
でもこういう助け合いはいつもあるようです。
重いスーツケース。
地下鉄の終点から、ヒースロー空港行きの列車のプラットフォームまで同じ駅なのに、あがって、さがって、またあがるという3重苦でした。空港へ行くひとなら絶対荷物あるのにすっごい不親切と思いません?すでに地下鉄の駅では階段35段を横にいた紳士が上まで持ってあがってくれました。今度下がるのはまだ、上がるのに比ぶれば簡単だが、二の足を踏んでいると、
インド人のおじいさんが、自分も助けがいるような風体なのに、助けを申し出てくれました。さすがにわたしも悪いと思い、結局二人でいっしょにスーツケースをもって階段降りました。
豪語しよう!わたしはイギリスでは自分ひとりでスーツケース階段運んだことがない!必ずだれかが手伝ってくれてる!あ~ん、どうしよう、と不安げに階段を見上げていると、必ずだれかがヘルプを申し出てくれます。申し訳ないと思うような女のひとまでがよ。
だからわたしもバスなんかでベビーカーを降ろしたり乗せたりするのに困っているお母さんがいたら、かいてあげます。わたしが言う前にだいたい男性方が助けるんですけど。たいてい。
日本では、タクシの運ちゃんまで仕事しない!トランクへって開けて、自分は運転席ですわっているだけ。わたしは一回30キロのスーツケースを必死で涙でそうになりながら自分ひとりでトランクに上げいれた覚えがあります。かよわいんだからね。
あ、またぐちったぁ??
イギリスのタクシは荷物はトランクに入れず、うしろの席のあいだに置くという感じなのですが、運ちゃんは、お客さんが荷物持っていたら、まず運転席のドアあけて外に降りてきます。お客さんを席につかせ、荷物を席の前に入れてくれます。目的地に着いたらまた降りてきて、(タクシの)ドアから(玄関)ドアまでおろしてくれるのさ。
なんとジェントルマンなんでせう。
地下鉄のドアはバタンと閉まる。駆け込みのひとも容赦しない。はさまれるとこれ痛いんですよ。かばんがひっかかると引こうがどうしょうが間から抜けなくて次の駅までそのまま。次の駅でやっとと思ったら反対側が開いて結局2駅乗るはめにも。そういうときもか弱い?女性とかがはさまりそうになったらドア付近にいる男性陣ががーっとドアを閉まらないようにホールドして開けて入れてくれたりします。これまた地下鉄の遅れにつながるとは思うんですがね。
そんなとこかなあ。2枚で終わっちゃったけど。ほめるのも。またほめねたを探すことにしましょう。

2008年12月14日          
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..December, 2008

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