10 銀行のナゾ
銀行員の方がお帰りになってからの方がいいかなあ、とも思ったのですが、イギリスの銀行の内情も読んでいただく方がいいかとも思ったものですから。。。ほほ
日本で「銀行」「銀行員」と言えば、どなたかを思い出すかのように、「まじめ」「正確」「律儀」「快速」(ま、ちょっとお高くとまってる、ってのも)というイメージでした。が、ここ異国の地の銀行かんけいはと~んでもございません。およそそういうイメージを根底から覆し、がらがらがっちゃんちゃんと崩してくれて、たたき壊してくれたって、感じ。
思い起こせば6年前。この地にはじめて職を得て、ロンドンに来ました。
お仕事すると、いただけるお給料。これが銀行振込なのですね。銀行振込するためには銀行に口座を開かねばなりません。はてさて、これが大変なしろもの。
日本だと、1000円入れて、印鑑用意して、簡単に口座が開けるじゃないですか(今も変わってなければ?)。それがこの異国の地ではそうカンタンにはいきませんのよ。はい。
まず、通常は住んで3ヶ月以上でないと、申請できない。わたしたちの場合はそんなこと言ってられないから、会社の指定の銀行あて、「会社の推薦状」をもらう。それでも、口座開設の前に、銀行の担当スタッフとアポを取って、面談するのです。住所を証明するもの、といっても、当時すべて込み込みの安フラットに住んでいたわたしには、自分あてのガス代の請求書も電話代の請求書もない。会社のレターに住所を明記してもらって、給料の証明で、推薦してもらう。
やっと面談すんで、「2週間後にキャッシュカード*が届きます」
キャッシュカードとは、お金を口座から引き出せるカードです。言わずもがな。これさえあればいちいち銀行の窓口に行かなくても24時間、街角にあるキャッシングマシーンでお金がひきだせるというものさ。
で、待つこと2週間。
来ない。
幸い、当時は取引銀行は隣のビルにありましたので、昼休みを利用して、窓口に催促に。
ソバ屋の出前とばかり、もうすぐできるとは言う。いったい信じられるんかね。
2週間ではなく、ゆうに一ヶ月たったころ、やっと、シンプルな「キャッシュカード」が来ました。それまでは、引き出せないから、窓口までいちいち行ってました。昼休みに。あまり大金出すと持ち歩くのいやだし。かといって、じゃまくさああい。はよカードだしてえな。
やあっと来たで。使うで。え?暗証番号が必要?暗証番号って銀行から送られてくるそうな。
自分で決めるのとちゃうんかい?
銀行によっては、一応決められたものが来ても、自分ではじめて使うときに都合のいいものに変えられるところもあるそうですが、わたくしの前の(今となれば前よ、そのころは選択支がなかったものですので)銀行さんはそういう細かい芸当ができないのでしたの。
で、やっと来た来た、暗証番号。4ケタの数字を覚えないといけないのです。覚えず、その紙片をサイフの中にカードといっしょになんて言うことは間違ってもしちゃだめですよ。
あるとき、百貨店に言って、クレジットカード(もちろん、まだ日本のカードしかないのよ、円建てのしかね)で物を買おうと思いましたらだめだと言われ、はてクレジットカードの使えない百貨店も珍しいものじゃ、と思いましたが(一応、今は文化が進み使えるようになったようです)、「スイッチ・カード Switch Card」は OK だと言います。「スイッチ・カード」とは、今は日本でも少しずつ知られてきているようですが、別名デビットカード Debit Card ともいい、クレジットカードとは違ってその場で口座からお金が引き落とされるシステムです。イギリスには小切手制度がありますが、小切手切る変わりに、カードで払うってなもんです。
そんな、便利なカードならあたしも欲しいぃ!!!つくるぅ!
と、くだんの銀行に交渉。申込書に書け、という。書くわよ。書くわ。
写真を持ってきたら、それをカードに載せて、他のヒトが使えない良い悪用防止になる。
いいわねえ。それ。それしよう。
で、写真を撮って、申込書を出して、はいまた2-3週間かかります。そうね。しゃーないわな。これからがすごい。待てどくらせど、来ない。
辛抱強いさすがのみずほさんも、また昼休み銀行の窓口に催促に行くことに。
窓口でさんざ、待たされたあげく、でてきたのはたしか一ヶ月前に出した申込書と写真が、わたしが渡したカタチそのままに、そこにあるではおまへんか。
いわく、「担当者が風邪ひいて休んでる」
あのなあ、担当者以外やったらでけへんのか?そんなややこし仕事なんかい?
「ううん、もう2-3日たてば担当者が出てくるだろうから、すぐやる」
2-3日、2週間は一ヶ月のことだと学習したイギリス来たての日本人は思いました。
日本なら、「はい、お客様、これは一週間ほどかかりますが、できましたらご連絡します」で、3日で連絡くるで。パチパチ(拍手)。
日本の一週間は3日。イギリスの3日は一ヶ月。ああ、この計算方式。
それから2週間ほどたってでしょうか。忘れたころ、やっとカードが来ました。やったあ、スウイッチと書いてある。ん?写真。写真がついてへんで。どこにも。せっかく、写真を渡したのに、あれはどーなったん?
で、また窓口。
できないなら、そう言えばいいのに。じゃあ、写真をつける、と言う。
で、せっかく待ってきたばかりのカードを泣く泣く返してまた待つこと。。。。もう忘れましたわ。どんだけ待ったのか。
しかし、苦難の末、やぁっと、来た。写真付きのスウィッチカードがああ・・
しかしこれで使えるわけやない。またまた、前とは別の暗証番号が銀行から送られてくるまで使えません。お預け。長い道のりや。
「送ったと言って、送ってないときあるから、プッシュしたほうがええよ」と苦汁をなめた同僚が忠告してくれました。で、窓口プッシュ。
うん、一週間でご自宅に行きます。もうこんだけ待ったんやさかいに、一週間でも一ヶ月でもいっしょ……なわけないよな。
来たよう、暗証番号。一所懸命覚えて(ここで3度目)、いざ、引き出し。
出ない。
なにが、ってお金が。
「暗証番号がまちがっています」と出る。キカイは正直?なんでや?
英国チャイニーズの経理の同僚に電話で事情を聞いてもらうと、どうも、前の写真なしのカードがそのままになり、二重にカードを持っているという状態になっていたらしい。じゃ、古いのをキャンセルしてよ、とたのみ、また別の暗証番号を受け取り、引き出し。
出~へんのや、やっぱり。
なんでやのん?
また窓口。
結局ですねえ、わたしは二枚カードを持っていたことになり、普通だったら、前の、即ち古い日付の方をふつ~はキャンセルするわよね、それを某バカ・アホ銀行員は何を血迷ってか!「新しい方をキャンセルしたんです」
↑太字で抑揚がつくわね。文書にしてからこれが便利かな。色はつかんけど…
そら、使えんわな。色もつけよかなあ。見えるん?
で、またまた、たかだか一ヶ月ほどのあいだにわたくしは当初のただのキャシュカードから数えると5枚目のカードを持つことにあいなりましたの。はははは。笑い事やないで。暗証番号も5つやで。しかし、たかだか5ヶ月ほどの間に5枚、うち、役に立ったのはたったの一枚というのも記録ではなかろうか。
ポンドのクレジットカードも欲しいと思いつつ、このアホ銀行のクレジットカードはぜえったいに作らへんわ、例えこの銀行ひとつしか世界になくても、と硬く誓い、待つこと3年。
イギリスの地にも3年、がんばって、別の銀行で口座もクレジットカードもつくったわい(この国って、同じ住所に3年以上いないと、クレジットカードを作れないようなんです。とくにわたしたち?凡人には。もちろん、口座のある取引銀行なら便宜を計ってくれるのでしょうが、計って、ほ・し・く・な・い!)。
あら、けっこう長いかなあと思ったけど、まだ3枚目。
じゃ、もそっと、むだ話を?
まあ、やめときます。今回は、別の添付もあることだし。
しかし、ほんとうに、異国に住んでいると、わたしの住んでいる「常識国の常識」では考えられないことが多すぎます。日本にいるとき、わたしはどんなにおおざっぱな、おおまかなエエ加減な人間、と謙遜してましたが、こっちでは、「わたしほどきっちりしてる人間はおらへんで」と思います。ホント。
2002年3月9日
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..March 2002
というのを入れてみました。ま、えらそーに。こんな文章真似するひともいないだろうし、だれにも真似できないとは思うけどね。ふふ。一応、アドバイスに従って入れてみます。
日本で「銀行」「銀行員」と言えば、どなたかを思い出すかのように、「まじめ」「正確」「律儀」「快速」(ま、ちょっとお高くとまってる、ってのも)というイメージでした。が、ここ異国の地の銀行かんけいはと~んでもございません。およそそういうイメージを根底から覆し、がらがらがっちゃんちゃんと崩してくれて、たたき壊してくれたって、感じ。
思い起こせば6年前。この地にはじめて職を得て、ロンドンに来ました。
お仕事すると、いただけるお給料。これが銀行振込なのですね。銀行振込するためには銀行に口座を開かねばなりません。はてさて、これが大変なしろもの。
日本だと、1000円入れて、印鑑用意して、簡単に口座が開けるじゃないですか(今も変わってなければ?)。それがこの異国の地ではそうカンタンにはいきませんのよ。はい。
まず、通常は住んで3ヶ月以上でないと、申請できない。わたしたちの場合はそんなこと言ってられないから、会社の指定の銀行あて、「会社の推薦状」をもらう。それでも、口座開設の前に、銀行の担当スタッフとアポを取って、面談するのです。住所を証明するもの、といっても、当時すべて込み込みの安フラットに住んでいたわたしには、自分あてのガス代の請求書も電話代の請求書もない。会社のレターに住所を明記してもらって、給料の証明で、推薦してもらう。
やっと面談すんで、「2週間後にキャッシュカード*が届きます」
キャッシュカードとは、お金を口座から引き出せるカードです。言わずもがな。これさえあればいちいち銀行の窓口に行かなくても24時間、街角にあるキャッシングマシーンでお金がひきだせるというものさ。
で、待つこと2週間。
来ない。
幸い、当時は取引銀行は隣のビルにありましたので、昼休みを利用して、窓口に催促に。
ソバ屋の出前とばかり、もうすぐできるとは言う。いったい信じられるんかね。
2週間ではなく、ゆうに一ヶ月たったころ、やっと、シンプルな「キャッシュカード」が来ました。それまでは、引き出せないから、窓口までいちいち行ってました。昼休みに。あまり大金出すと持ち歩くのいやだし。かといって、じゃまくさああい。はよカードだしてえな。
やあっと来たで。使うで。え?暗証番号が必要?暗証番号って銀行から送られてくるそうな。
自分で決めるのとちゃうんかい?
銀行によっては、一応決められたものが来ても、自分ではじめて使うときに都合のいいものに変えられるところもあるそうですが、わたくしの前の(今となれば前よ、そのころは選択支がなかったものですので)銀行さんはそういう細かい芸当ができないのでしたの。
で、やっと来た来た、暗証番号。4ケタの数字を覚えないといけないのです。覚えず、その紙片をサイフの中にカードといっしょになんて言うことは間違ってもしちゃだめですよ。
あるとき、百貨店に言って、クレジットカード(もちろん、まだ日本のカードしかないのよ、円建てのしかね)で物を買おうと思いましたらだめだと言われ、はてクレジットカードの使えない百貨店も珍しいものじゃ、と思いましたが(一応、今は文化が進み使えるようになったようです)、「スイッチ・カード Switch Card」は OK だと言います。「スイッチ・カード」とは、今は日本でも少しずつ知られてきているようですが、別名デビットカード Debit Card ともいい、クレジットカードとは違ってその場で口座からお金が引き落とされるシステムです。イギリスには小切手制度がありますが、小切手切る変わりに、カードで払うってなもんです。
そんな、便利なカードならあたしも欲しいぃ!!!つくるぅ!
と、くだんの銀行に交渉。申込書に書け、という。書くわよ。書くわ。
写真を持ってきたら、それをカードに載せて、他のヒトが使えない良い悪用防止になる。
いいわねえ。それ。それしよう。
で、写真を撮って、申込書を出して、はいまた2-3週間かかります。そうね。しゃーないわな。これからがすごい。待てどくらせど、来ない。
辛抱強いさすがのみずほさんも、また昼休み銀行の窓口に催促に行くことに。
窓口でさんざ、待たされたあげく、でてきたのはたしか一ヶ月前に出した申込書と写真が、わたしが渡したカタチそのままに、そこにあるではおまへんか。
いわく、「担当者が風邪ひいて休んでる」
あのなあ、担当者以外やったらでけへんのか?そんなややこし仕事なんかい?
「ううん、もう2-3日たてば担当者が出てくるだろうから、すぐやる」
2-3日、2週間は一ヶ月のことだと学習したイギリス来たての日本人は思いました。
日本なら、「はい、お客様、これは一週間ほどかかりますが、できましたらご連絡します」で、3日で連絡くるで。パチパチ(拍手)。
日本の一週間は3日。イギリスの3日は一ヶ月。ああ、この計算方式。
それから2週間ほどたってでしょうか。忘れたころ、やっとカードが来ました。やったあ、スウイッチと書いてある。ん?写真。写真がついてへんで。どこにも。せっかく、写真を渡したのに、あれはどーなったん?
で、また窓口。
できないなら、そう言えばいいのに。じゃあ、写真をつける、と言う。
で、せっかく待ってきたばかりのカードを泣く泣く返してまた待つこと。。。。もう忘れましたわ。どんだけ待ったのか。
しかし、苦難の末、やぁっと、来た。写真付きのスウィッチカードがああ・・
しかしこれで使えるわけやない。またまた、前とは別の暗証番号が銀行から送られてくるまで使えません。お預け。長い道のりや。
「送ったと言って、送ってないときあるから、プッシュしたほうがええよ」と苦汁をなめた同僚が忠告してくれました。で、窓口プッシュ。
うん、一週間でご自宅に行きます。もうこんだけ待ったんやさかいに、一週間でも一ヶ月でもいっしょ……なわけないよな。
来たよう、暗証番号。一所懸命覚えて(ここで3度目)、いざ、引き出し。
出ない。
なにが、ってお金が。
「暗証番号がまちがっています」と出る。キカイは正直?なんでや?
英国チャイニーズの経理の同僚に電話で事情を聞いてもらうと、どうも、前の写真なしのカードがそのままになり、二重にカードを持っているという状態になっていたらしい。じゃ、古いのをキャンセルしてよ、とたのみ、また別の暗証番号を受け取り、引き出し。
出~へんのや、やっぱり。
なんでやのん?
また窓口。
結局ですねえ、わたしは二枚カードを持っていたことになり、普通だったら、前の、即ち古い日付の方をふつ~はキャンセルするわよね、それを某バカ・アホ銀行員は何を血迷ってか!「新しい方をキャンセルしたんです」
↑太字で抑揚がつくわね。文書にしてからこれが便利かな。色はつかんけど…
そら、使えんわな。色もつけよかなあ。見えるん?
で、またまた、たかだか一ヶ月ほどのあいだにわたくしは当初のただのキャシュカードから数えると5枚目のカードを持つことにあいなりましたの。はははは。笑い事やないで。暗証番号も5つやで。しかし、たかだか5ヶ月ほどの間に5枚、うち、役に立ったのはたったの一枚というのも記録ではなかろうか。
ポンドのクレジットカードも欲しいと思いつつ、このアホ銀行のクレジットカードはぜえったいに作らへんわ、例えこの銀行ひとつしか世界になくても、と硬く誓い、待つこと3年。
イギリスの地にも3年、がんばって、別の銀行で口座もクレジットカードもつくったわい(この国って、同じ住所に3年以上いないと、クレジットカードを作れないようなんです。とくにわたしたち?凡人には。もちろん、口座のある取引銀行なら便宜を計ってくれるのでしょうが、計って、ほ・し・く・な・い!)。
あら、けっこう長いかなあと思ったけど、まだ3枚目。
じゃ、もそっと、むだ話を?
まあ、やめときます。今回は、別の添付もあることだし。
しかし、ほんとうに、異国に住んでいると、わたしの住んでいる「常識国の常識」では考えられないことが多すぎます。日本にいるとき、わたしはどんなにおおざっぱな、おおまかなエエ加減な人間、と謙遜してましたが、こっちでは、「わたしほどきっちりしてる人間はおらへんで」と思います。ホント。
2002年3月9日
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..March 2002
というのを入れてみました。ま、えらそーに。こんな文章真似するひともいないだろうし、だれにも真似できないとは思うけどね。ふふ。一応、アドバイスに従って入れてみます。
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