64 注文するのも簡単やない

 余談から行きます。ポーランド人のおばあちゃま。Me, me, me (わたしが、わたしが)のミーイズムのひとだったんです。わたしもたいがい、自己主張っ子と思うがかなりそれ以上よ。場所はとある薬屋。頼んでおいた薬ができるのを待っていたときのこと。わたしの後から来たこのおばあちゃん、レジの長蛇の列もなんのその、まるで客は自分だけだといわんばかりに接客しているカウンターのスタッフに薬の注文をしようとします。見かねた警備員が相手してあげるやさしさ。あんただけじゃないのよ、待ってんのは。年寄りだからでしゃばっていいってこっちゃあないだろが。英語もままならなくて、この薬がほしい、と見せるのだけど、ポーランド語でしか書かれてないから、何の薬かわからず店員も困ってます。ほかの店員がふさがっているので、優しく相手してあげてる警備員のおにいちゃんにも「形が丸いのがいい」だの、「もっと小さい粒のがほしい」だの手がかかります。お手上げの警備員さん、自分の仕事でもないのに、かわいそうに。わかるスタッフに代わるから待ってね、と案内するも、待ってられないの、このおばあちゃん。薬が調合できるスタッフが一人だけのようで2-3のお客を待たせながら同時進行していました。わたし、さっきから待ってんだけどぉ、と無言の目で制するわたし。前にいた親子が終わって、やっとわたしの番だというとき。「お待たせしました」とわたしに話しかけた店員に横でなにやら文句を言おうとするので、店員は「ごめんなさいね、この方が先なんですよ」とゆっくり説明するも聞かない。そう、わたしだってもう30分は待ってるんだっせ。
 一方余談の余談になるが、スーパーでのレジ待ち。ふたり前のいっぱいもって待ってる男性が、自分の後ろのひとに列を譲っていました。自分がたくさんあるから、後ろの2つしかもっていないひとに「お先にどうぞ」と声をかけてあげるのです。これは時々、レジで見かけます。わたしも譲ってあげたことがあります。ほほえましいなあ。こういうの好き。で、そのおじさん、すでにひとりに譲ったのに、そのまた後ろのわたしがミルクひとつで待ってるから声をかけます。「お先に」。いいよ、と断りました。いいよ、そんなことしてたらあなた、いつまでも自分の番が来ないわよ。
 この国では、ストレスをためないために、自分で防御策をたてねばなりません。それが健康に生きる道!!
 薬の注文サービスってのがありまして。所定の薬は GP で処方箋をもらって、それを薬屋に持っていって買います。フツーは最寄の GP に出向いて注文し(電話じゃだめなのよん)3日後、処方箋をもらうのにまたとりにいかねばなりません。2回出向く必要があるのです。 その GP ってのが、平日の朝9時から11時半、午後は4時から6時までしか開いてないので、仕事人には無理!処方箋をもらうたびに会社休むんか?どうしてんのかね、ほかのひとたちは。でもこれで終わりじゃなくて、処方箋をもらったらそれを薬屋に持っていって、薬は薬屋で買うんです。そこでBというこちらの薬屋さんですが、コレクションサービスってのをやっております。取りに行きたい1週間前に電話で頼んでおけばいいのです。GP に足を運ぶより電話一本でやってくれるから(まだ)楽。それに薬屋は土・日も開いてるし。
 平日に電話しておいて、土曜日に取りにいくようにしていました。この前、土曜日にたまたま近くにいたので、ドロップインで注文し、その翌週の土曜日に取りに行きました。できてなかったの。で、冒頭のような状況に陥り、待ってるあいだにポーランドばあちゃんが割り込みかけたってこと。
 土曜日に取りに来るってわかってたら、金曜日までに用意しとくよなあ。日本なら絶対そう。あ、失礼しました。そういう言い方はやめましょう。「わたしなら」お客さんが土曜日に取りにくるってわかっていたら、金曜日中にいや木曜日にでも用意しておくなあ。しかしこんなことで腹を立てても、美容に悪い。防御策は自分で考える。前回は金曜日に電話しておいたから、土曜日に用意されてたんだけど。土曜日に電話しても土曜日に用意される、は無理なんやあ。土曜日に取りに行きたかったら前の金曜日までに注文しておく。これだな。
 こんな、裏のうらのうらまで考えなきゃいかんとは。体験してみないとわからんわなあ。こうやってかしこくなっていくのね!こんなことで知恵使っても何の役にも立たんかもなあ。つくづく。


2008年3月29日            
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..March, 20080






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