61 ロイヤルオペラハウスを安く見る方法

 ロンドンでオペラとバレエが好きな方々にはロイヤルオペラハウス(ROH)は登竜門。
 昔の雰囲気を残しながら新装なって、とっても素敵。でも観劇のチケットはお値段も高い!バレエはまだしも、特にオペラとなると、高く感じます。
 自分が過去に購入した歴代のチケットを見てみると、昔の豪遊?に比べ最近はどんどん安いものになっていくのが一目瞭然でわかります。
 数見るためには高いチケットは買っておられません。安くおさえなきゃ。
 ということで、いかにROH のチケットを安く、リーズナブルに手に入れるかというワザが必要となります。
 まず、ここのお席ですが、大きく以下のように分かれます。


 オーケストラ・ストール いわゆる地上階(1階)の真中の席
 バルコニー     日本でいう2階席
 アンフィシアター  バルコニーよりもひとつ上でかなり(標高が)高いところまで席がある      
 アッパースリップ  舞台に近いが、標高もかなり高い。天井桟敷ですね。
 立見席もございます


 座席マップはこちらから(ときどきアップデートしなくっちゃね〜)

ワザ1) サイド狙い
 この中でお勧めは断然舞台にほど近い、横っちょのサイド席。
 Stalls Circle Side  オーケストラ席から一段上がった舞台に近いサイドの席
 Balcony Side      バルコニーの舞台に近いサイドの席
 Lower/Upper Slips  アンフィシアターレベルの舞台に近いサイドの席


  なぜ、サイドがいいか、というと、この劇場は構造上、馬蹄形になっており、奥が深く、端の方がせまくなっているので、舞台と対面の奥の真中に陣取るより、むしろ舞台に近い端の方が距離的にも近く、見やすいのです。
ストールズサークルサイドからの眺め
 サイドの席は、右と左に分かれますが、LEFT (左)側 がなんと言ってもお勧め。お勧め理由  
 1) トイレに近い 2) アンフィシアターのバーに近い
 これ、右 RIGHT に席を取ってしまうと、ぐる~っとまわって右から左へ横断してトイレ、バーに行く必要があり、真中部分の出口を横切るだけで、すごい時間がかかります。あるときなど、20分の休憩時間のおよそ半分の時間を移動に費やし、無駄にしてしまったことがありました。そうなると、幕間の飲み物なんて優雅にゆっくりやってらんない。トイレにもいけない。
 実例1、バレエ(出し物は「白鳥の湖」)で取った席は Lower Slip  のレフト。天井桟敷の一段下で、かなりの高さがあることには変わりないが、舞台に近いだけあってオーケストラと舞台を上から見下ろす感じ。なかなかいいですよ。それにこれで11ポンドだもんね。8ポンドの席もあったけど、そうなるとほとんど舞台だから、かなりの制限付き視界となります。11ポンドの席も一応制限付きなのだが、そんなに気にならなかったです。それに、値段が値段だから文句は言わん。許せる。
ロゥワー・スリップからの眺め
かなり高いっしょ?
 いつも左がいいかというと、それも考える必要ありです。制限付席ねらいだと出し物によって座るところを考えないといけません。左に座ると当然、舞台に向かって左端が見えないわけで、そこで踊られると見えないリスクがあります。音楽だけ聞こえて、踊り手はどこ?って感じなの。サイドの席はみな「視界に制限あり」なんです。だから安い。


 ワザ2) 当日券をゲットする
 このワザは仕事がオフの日か、土・日とかにしかできませんが、早起きは30ポンドの得!(冬場は寒さと暗さに耐えねばなりませんが)
 ROH では67枚の当日券を毎パフォーマンスごとに提供しています。ボックスオフィスは朝10時に開くので、その前に並びます。10時に行ってたら遅いわよ。でも出し物と出演者によってはそんなに早く行かなくても。。。その辺の判断がむつかしいところですが、いい席がほしかったら5時起きというひともいました。この当日の列に並んでいるひとはけっこう、フリークが多い気がします。またひとり一枚のみ購入可能なので、友だちの分もいっしょに、なんてことはできません。
 実例2、去年の「トスカ」の場合、土曜日でしたので、朝7時半に並びました。美人の歌姫アンジェラ・ゲオルギューに恋人役はマルチェロ・アルバレス、おまけに脇を固める悪役のスカルピアはブリン・ターフェルという3大歌手の出演で、人気があることは間違いない。で、到着したら列の30番目。ゲットしたのはストールズサークルのサイド 前から3列目のC列 31ポンドなり。ひと筋前のB列なら41ポンド。でも、ひとつ列が前だというだけの問題で10ポンドの差は大きい。視界に大差はない。お金を取った、わたしたち。さて舞台は?すごい近い。感激の近さ。オペラグラスは不要でドレスの模様まで見えちゃう!下から見上げる感じなので上方がちと見にくいけど、オッケー。まわりにいる人たちは朝いっしょに並んでいたひとたち。みなさんちゃんとオペラ観劇用に着替えているのですぐに同じひとだったんだとわかりませんでしたが。
 日曜日のパフォーマンスだと11時にオフィスが開くので、平日ほど早く行く必要がないですし、3時開演のため、待っている時間に無駄がないでしょう。11時半にチケット購入が終わったとして、ランチをゆっくりそこらへんで食べて戻ってきて開演に備えることができます。でも、日曜日のパフォーマンスは少ないです。
 お値段のはるオーケストラ席(ストール)やアンフィシアターの真中のチケット代くらいの料金を出すのだったら、むしろサイドを取るなあ。お値段も安いし、一石二鳥?


ワザ3)売出日にオンラインで購入する 
 新しいシーズンの売り出しと同時にオンラインチェックぅ!!
 ウエブでメルアドを登録しておくと、新しいシーズンの売出日を知らせてくれます。売り出しが終わっていても、比較的早めに手を打てばいい席が手ごろなお値段で取れるときもあります。賭けのような、ゲームのような、スリルも楽しめます?
 実例3、午前10時売出開始の5分前くらいからちらちら、ちらちら、ウエブにアクセスするもなかなか予約がゴーにならないのです。10時にそれ、っとトライ。席を取った、はよかったがコンピュータの反応がすっごい遅い。ひとクリックにすっごい時間がかかっております。多数のひとたちが一時にアクセスしているからでしょうね。席を取ったら30分以内に予約から支払いまで完了しないといけないので、あせる、焦る。席番は自分で選べないので、いろいろやってみたいのですが、そんなことしてたら時間くうだけ。念願のボックス、それもレフト側の舞台から2番目をゲット。ほっとして、一旦完了したあとに、もいっかいやってみよう、とサイトに戻ろうとしたら、もう入れない。サイトに入るのに「300人待ち」の状態になってしまいました。
 バルコニーのボックス席は10しかないので、(しかもお目当てのレフト側は5つ)必死でしたね。1つレフトを確保し、次もう一度同じところで取ろうとしたらもう取れるのはライト側になっていたので、これは売り出し5分以内が勝負と見た。

 最後に)究極のワザ!ともだち集めて夢のボックス席。
 至福はボックス席で優雅に、というのが夢。ボックス席も二種類あり、グランドティアのボックスはバレエでも手が出ませんが、バルコニーのボックスなら思ったよりリーズナブルです。同じひとつのボックスの中に2種類料金があり、まとめ売りなので、4席を一度に買わないといけません。フリーク仲間が4人集まれば自分たちだけのグループで専用で楽しめます。最近トライしたオペラのボックスでは4人で割るとひとり39ポンドなり。でもこれ、実際にボックスで座ってみると不評でした。というのは4席のうち、2席が前で、2列目にまた2席というたて2列構造になっております。一列に4席並べられないので、2列目のひとはちと見にくい。インターバル休憩で交代するものの、不満は残った模様です。箱の番号で違うようで、左隣の箱のひとたちは4つの椅子を一列に前に並べて見てました。わたしたちの箱はせまくてそれができませんでした。しかも後列の椅子は背が高いストール椅子なので前に並べると底に落ちていきそうで怖いのよ(笑)椅子の種類もね、ベンチシート(長時間座るとおしりがいたい)、固定でないストールの高椅子型(足の短いひとは注意)椅子だが固定でない、といろいろです。
 ボックス席も「視界に制限あり」なのです。そらね、160ポンドも一回に払えるなら、360℃視界の真中に座れるのでしょうけれどね。予算内でどの席が一番いいのか、なおも研究は続きます(まだ見に行くってことぉ??)


写真はあとから足しました

この記事すっごいよく読まれててありがたいのですが、ちょっと古いという気もしないでもなく
オペラ記事一挙にこちらにまとめ〜あとさきだけど。2012年9月現在
→→「新しいウエブ!ロイヤルオペラハウス
→→→→売り出しの秘訣ついに公開
→→→→「ROH 2012−13年シーズン
→→→→「ROH ドレス・リハーサル・チケット
→→→→「ちゃちゃいれオペラあらすじ

最近の記事も参考にいただくほうが良いのでは、と文責を感じここに足しておきます。

2008年1月15日        
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..January, 2008

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