70 KABUKI 十二夜・コラボ

 ロンドンでカブキを見るのはこれで3回目かな。
 日本で見たことないのに、不思議ね。なぜか、ロンドンだと見たくなる。日本文化を自慢したい、というか、わたしってやっぱり日本人ね、と思うひととき。
 今回はシェイクスピアを歌舞伎でやるっていう。むつかしいことはようわかりませんが、何も考えず、蜷川演出だし、でも期待もせず、楽しみに行きました。ところがとってもよかった。わかりやすいし、華があるし、歌舞伎を知らない初心者でも non-Japanese でも楽しめたでしょうな。
 舞台は拍子木(これも意味あるそうです、予習してね)から始まり、おなじみの垂れ幕が上がったら向こう側前面鏡。客席がそのまま映ってるよん。次のシーンはみごとな桜の大木の下で西洋ピアノがでてきましたわ。3人の子供がバテレンの衣装に身をつつみ、ラテン語で賛美歌を歌う(これロンドンで子役オーディションしたらしい。3という数字も意味あるんですけどまた次回)。伝統的な衣装と西洋風の衣装がここにもコラボです。衣装のコラボ、音楽のコラボ、舞台のコラボでしたね。回転舞台は歌舞伎の専売特許でしょうが、見せ方がうまい。
 シェイクスピアとの共通点。
 歌舞伎が生まれた時代と日英ほとんど同じ。
 男優だけで演じている。女性役(女形)がある。
 せりふ、ことばの遊び。
 「道化」が「あほう」になるのもぴったしくるし。
 違うのは踊り、くらいかな。シェイクスピアにはないのでは。
 女を男が演じ、その中で双子の兄になり一方で男を演じる女形という3役ひとりで、しかも早変わり。むつかしい役柄をうまく演じておいででしたね。菊之助さん。最後兄妹二人いっぺんに出るときはどうするのか案じていましたが。なるほどね(言わないでおくね)。
 予告英語版は、ロンドン公演なのに、なぜかアメリカ英語(にわたしには聞こえるが?)なのでちと興ざめ。
 日本で同じく蜷川演出のシェイクスピアの「お気に召すまま」を舞台で、成宮くん、小栗くん、で観ました。まるで近所の知り合いみたいに言うとるけど、これも良かった。けど、舞台だったので、やはり、シェイクスピアらしく、特に日本語でくると、ことばのいいまわしがわざとらしげ、と思ったけど、歌舞伎にすると、もともと大仰だからぴったりくる??
  さて、バービカンの劇場は当然、日本語でやって、英語のサブタイトル(字幕)つき。舞台も衣装も基本はカブキ。これもシェイクスピアとカブキのコラボ。登場人物の名前が漢字にあてはめてある。音をそのままに、日本的かつ漢字にはまってる!うまい、と思いましたね。
 たとえば「ヴィオラが男装してシザーリオに」が「琵琶姫が男装して獅子丸に」なり、その双子の兄「セバスチャン」が「斬波主膳之助」。ヴィオラが恋する「オーシーノ公爵」は「大篠左大臣」だし。「オリヴィア」は「織笛姫」。音も漢字の感じもきれいね。役どころとともに笑ったのは「アンドリュー・エーギュチーク」が「安藤英竹」。
 日本語の訳はちと簡単すぎ。日本語のせりふは伝統歌舞伎のものいいをうまく現代風にアレンジされてて、おもしろく、わかりやすい、で雰囲気もあり、非常に楽しくふむふむだったんだけど、これって non-Japanese にわかるのかしらね。
 すらっと言われたらそのまま行ってしまうようなせりふの、そこんところのニュアンスがわかるのか?たとえば「では、つつがなく、さらばじゃ」 が、Goodbye. がくっ。3行のもったいつけたものいいを字幕の2行に入れ込もうと思うと大変とは思うがチョ~意訳というか、簡単な説明になってましたね。「そこもと、待ちゃあ」という女形のせりふも「you, wait」やしね。
 イギリス人はどう評価するか興味津々であったけど、観劇に来ていたイギリス人俳優の評価はマル。ロンドンの無料新聞の評価も良かったけど、演出 Yukio Naginawa になってた。ナギナワさん、ちゃうで。失礼やんねえ。まあ、カブキを言えただけよしとせなならんか。。。
  6月に東京、7月に大阪でもやるので日本の皆様はぜひ行ってみてくださいませ。お薦めだよん。ちょっとこれ、観たっての、自慢になるかもよん??
  十二夜 公式サイトで「予習」してから観る方がいっそう面白みが増すわよん。そう、公式サイトにあるように、バービカンには花道がございません。
 花道を一応考えて舞台に向かって左端のストール(一階席)に陣取ったのに、ざむねん。つくってほしかったなあ。やっぱ。ロンドン速報でした。

you tube ロンドン公演予告
http://www.youtube.com/watch?v=qYpyTgHG6DM

読売新聞サイト
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20090325-OHT1T00309.htm

松竹大歌舞伎 サイト
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/shinbashi/2009/06/ninagawa.html

十二夜 公式サイト
http://www.kabuki-bito.jp/juniya/

2009年4月5日          
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..…..April, 2009

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