32 にせ札騒ぎ

遅まきながら、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いしま~す。
新年早々お金の話ですんません。それもあまり景気のええ話やおまへんが。
去年11月21日以降5ポンド札は新しいものしか使えなくなりました。色もかたちもそんなにかわらない。緑で女王様が表についてるのもいっしょで。実はうらの人物が違う。旧は男性像で、新は女性になってる。でもよく見ないとわからない。だいたいわたしはへんなのをつかまされるようです。ぼぉっとしてるように見えるんか、ひとがよさそうに?見えるんか、その両方か。
この旧5ポンド札だって、12月になぜか、いつか、わからないけど、いつのまにか。わたしの財布の中に入っていたんですわ。
気が付いたときには遅い!
いつ!どこで!!だれから!!!もらってしもうたんや?!!!
なんとか、排斥しようと、某大手スーパーで使ってみました。知らんふりして。レジ係はちゃんと知ってるよなあ。「これは使えない」とつっかえされた。「へぇ?」と無垢なフリするわたし。「なんでよ?」
レジ係のおねえさん、なんか説明するが、何を言ってるのかようわからん。何回も聞き返すとなんと、あげくの果て、「これはフェイクだ」というの。フェイクううう??fake(偽札、偽造でっせ)なんて言われて返ってわたしが唖然。後ろにいたお客さんの若いおねえさんが「これはね、銀行に持っていかないとだめよ」と言ってくれる。ほら、この裏、裏がね、*ジョージ・スティーヴンソンはもう使えないの。ジョージ・スティーヴンソンなんか誰なんか知ったことか!(はい、ここでたび蔵さん、お札のイラストです。新・旧)

新!5ポンド札。裏表

裏が誰あろう、わたしにとって5ポンドは5ポンドなんよぉ。だって、これだって、だれかがわたしにくれたのよお。お釣で。それも11月22日以降に!出回っているはずのない5ポンド札をぉ・・・・・
ぜったい某有名大手ハンバーガーショップでおつりをもらったときだ。考えられるのは某ハンバーガーショップ。しかし、わからん。しゃーない、その場は**スイッチカードでしのぎ、くだんの5ポンド札はまたわたしの財布の中に。
明日、会社の経理のひとに言って、売上にまぜて銀行に持っていってもらおっと。
何年か前に50ペンスのコインが小さく、薄くなったときがありました。そのときも、もらってるのよねえ。ひとつだけもらったらわからない、わたしたち外国人には。
イギリスの50pは八角で、今のよりひとまわり大きく、ちと重かったので、軽くしたのでした。しばらく財布に入っていた旧50pを見てもわからず、しかし、大きさまで変わり、コインランドリーで使おうとしてスロットに入らなかったのでわかったのでした。どっかでつかまされた古いひとまわり大きく若干ぶ厚いのが財布にまぎれていたのです。
そのときもわかって、ジダンダ。
これでも小さくなったの
いつ!どこで!!だれから!!!もらってしもうたんや?!!!たかが、50pでも、わたしには乾燥機一回分なんやあ。
泣く泣く、経理係りに泣きつくわたし。「いいですよ、売上にまぜて銀行入金しちゃいますから」おお、神に見えたその一言。(すんません、なんちゅう会社や、と思わないでねん)
コインには泣かされております。
最初のショックは1ポンドコイン。イギリスの1ポンドコインはけっこう厚さがあって、ずしっと重い。財布のじゃまもの第一人者。片面は女王様の横顔だが(これも年代により若女王さま、お年召し女王さま、とよく見ると違う)片面は年代で模様が違い、いろいろ見ては喜んでいた時期がありました。あるとき、おもちゃのお城のような、ほら、ディズニーランドにある白雪姫の城、みたいなのよ、模様のがあり、ほぉ、これはめずらしわあ、と思って、よくよく、矯めつ眇めつ見ると、ん???Gibraltar の文字が。ジブラルタルぅ??? ジブラルタルはスペインの南にある国ですが、イギリス領です。いやぁ~ん、これってひょっとしてジブラルタルコイン?じゃあ、イギリスポンドとちゃうんやんか。どーしたらいいの、とパニクってると、当時のフラットメイトに「ランドリーで使えるよ」とこれまた神の声のようなアドバイス。そう、大きさ、色、幅はほとんど同じ。コインスロットに入るんです。違いは側面の模様。1ポンドコインはすべて側面に巾があるから、文字が入っている。ジブラルタルのにはそれがなく、側面はただのぎざぎざ。それで見分けるのさ、これからは!!
コイン騒ぎはまだまだ続きます。「見分け方」を会得したわたしは、もうだまされませんぜ。おつりをもらうたびにちゃあんとチェック。財布に入れる前にちゃあんと手のひらの上で見て不審があったら、そのまま突っ返す。こっちのスーパーの店員さんもよくやります。こちらが支払いをして不足などがあったら手のひらにのせたまま「マダム、30pしかございませんよ」とかね。
ほら、さっそく、某大手スーパーでつかまされかけました。するどくジブラルタルを見てとったわたしは、そのままつき返しました。レジの彼女は「女王さまついてるでしょ」だって!!ついてたってこれはイギリスのお金じゃないでしょ、ジブラルタルって書いてあるでしょ。問答のすえ、カスタマーサービスにいけ、そうか、自分の範囲じゃないってか。カスタマーサービスの女性も、はじめ、けげんそう。ぐちゃぐちゃ説明するわたし。なんでこんなことにエネルギー使わなあかんねん?? まあ、すぐ換えてくれましたが。
コインの価値としては、同等くらいみたいでしたがね。
お隣さんたちが、ユーロになる前、イタリアはリラの時代に、某けっこう有名百貨店のカフェで、おつりに200リラが混じっていました。このコインはうすくて銀色で、大きさも同じくらいで10ペンスコインのように見えるんです。でも明らかに模様も違う。レジのおばちゃんに、これは違うわよ、と、指摘すると、言うにことかいて「女王さまがついてるでしょ」だって。どこに?女王さまがついてんねん!!!ローマ装束の女性の全身が模様にはなってるけど。これが女王さまってか?ばかにした~あかんで、こちとらコインにはちと詳しくなったんやさかいに??
しかも当時の200リラと10ペンスはすごい価値がちゃうんやでえ。
今度はアイルランド。
昔イギリスの5ペンスコインがこれまた大きかった。今はいっちゃん小さくて、財布の開閉口のジップから落ちそうなくらいなのですが、昔は10ペンスにひとまわり小さいくらいの大きさだった。
これまた、昔の財布を持って久々イギリスに遊びに来たわたしは、スーパーでつっかえされ、数年前と大きさが違っていることに愕然。ショックを受けていると、当時(まあ、今もだが)ダブリンにいた友人がこれまた神の声。「アイルランドで使えるわよ」
当時の通貨、アイルランドポンドとは言うが、原語でいうとアイリッシュプントの時代。アイルランドとは、イギリスの人は南アイルランドと呼ぶダブリンが首都の方です。
同じポンドを使い、価値は若干違うが、アイリッシュプントはイギリスで使えなくてもFormer Five Pence はアイルランドで使えたの!
またまた余談ですが、Penny は単数。Pence は複数。One penny、Five pence.これがとっさに出ませんのや。おつり、あ、1ペンス足りない、なんて言ってしまうのよね。正解は1ペニー。ごまかしたいときは「ワン・ピー」と言う。単数も複数も「ピー」。
昔アジアを旅行したとき、シンガポールやマレーシアでは同じドルの単位を使い、シンガポールドルやマレーシアドルで価値も違いましたが、陸続きというのもあってか、ニ国のお金が入り混じっていましたねえ。柄も似てるし。でも、シンガポールドルはマレーシアで使えてもマレーシアドルはシンガポールで使えなかったと思う。多分。今はどうか知りません。
さて、ここでイギリスのお金の種類をご説明いたしましょう。
コインは 1p  2p  5p  10p  20p  50p  1ポンド 2ポンド の6種類
紙幣 Noteは 5ポンド 10ポンド 20ポンド 50ポンド の4種類
100ペンス=1ポンド
赤札。観光客の特権
50ポンド札はわたしは「赤い札」と言っていますが、めったにお目にはかかりません。日本円に換算すると壱萬円札の感じですが、見ません。ということは、どーいうことかというと、大金を払うとき10ポンドや20ポンドで払うため、数えるのがたいへんなんよ。
思い切って百ポンド札くらい作ってくれれば楽やと思うけど、こちらだと50ポンド札だしてもいやな顔されます。小さい買物だとね。
自分の財布の中身を恥ずかしながら披露しますれば、感覚がイギリス、日本で違います。日本にいるときは、3-4萬円は財布に入っていると思うが(見栄はって、もっとのときもあるが)、これがロンドンにいると150ポンドなんてぜえったいに持ち歩きません。
20-30ポンドがせいぜい。すりに備える、というのもあるが、現金を持ち歩かなくとも、デビットカードで事足りるし、いつでも(24時間手数料なし)***ハイストリートに点在する銀行のキャッシュマシーンで引き出せます。
コイン騒ぎがやっと終わったと思ったら5ポンド札に続き、こんどは紙幣騒ぎです!
このあいだ、トラファルガー広場横の郵便局の隣のキャッシュマシーン、これはロンドンの某有名銀行の機械だったのですが、20ポンドを引き出したらあらら、なんと出てきたお札に女王さまがついてない。Bank of Scotland 発行の10ポンド札が2枚でてきちゃった。こんなん、ロンドンで初めて。そら、エディンバラに行った時はどこで引き出そうが紙幣はみんな、女王さまなし、でしたけど。
べつに愛国主義者でもなんでもないが、これなにぃ?こんなん、使えるんやろかとすっごく不安になりました。思わずどこの銀行の機械か、見たりしてね。残り少ないこずかいを、スコットランド紙幣にしてもうた、とまたまたパニクる。田舎に帰る前にここ都会で使ってしまわねば。近くのナショナルギャラリーのショップに。ちょうどカードを買おうと思ってたので、いいか。これでお釣がきてくれないと、無駄使いになっちゃう。レジのおねえさん、札を受け取るとためつすがめつ(裏に返して表に返していろんなむきから見ること!)してましたが何も言わず、お釣りゲット。「ほっ」
家の近くの某有名大手スーパーでも使えた!こちらでは20ポンドをわたすと偽札をチェックするのか、裏に表に、返して見られるのだけれど、それもなく、おばさん、レジに収めました。「ほっ」 隣の日本のスーパーでどう反応されるか知りたかったけど、2枚使っちゃったのでわたしの不安はこれで終わり~ぃ!
ああ、もう、ストレス、どきどき。給料前で持ち金が少なく、これが使えなかったら、わたしはビンボーになってしまうのだというのもあるが、やめてほしい。
統一!(わたしゃ、北朝鮮かい、あ、これ放送禁止用語でしょうなあ)してね。

  筆者注)

*ジョージ・スティーヴンソン 蒸気機関車を完成したエンジニアだってさ。
ちなみに新しい5ポンド札の女性は。。。知りません。今度変わらないうちにゆっくりと見てみます。
**スイッチカード 日本でも最近デビットカード Debit Card として出回っているようですが銀行口座から使ったお金がそのまま引き落とされるシステムです。小切手に代わり、最近はよく流通しています。クレジットカードだと月ぎめとかで前びろに支払いますが、これは現金といっしょで即座に口座から引き落とされます。でも現金持ち歩かなくていいからね。便利。
***ハイストリート 町のメインの通りをこう言います。ロンドン市内だとOxford Street や Regent Street のこと。地区によっては、その名もずばり、High Street というのがあり、小さな田舎の村だと唯一の通りだったりする。

2004年1月17日                         
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..January, 2004

コメント

  1. すごいあとで写真足しましたので、2004年の記事なのになぜか、50pは2011年もの。はは。こういうことができるのも自分のブログやしぃ。笑

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