43 2月の雪、自分で歩いて見るロンドン

ことしになってから、雪の多いロンドンです。寒いしい。夜になるとマイナス何度っていうのが何日も。熱帯夜ならず、氷点下や。歩道脇に駐車している車は霜でまっちろ。木や屋根もうっすら白化粧っていう感じです。ぼたん雪がそれこそ、文字通りばさっ、ばさっと落ちてくる、って感じです。グレイの空から、カーテンのようにさらさらさら、ばさばさばさと。粒が大きいので、こりゃあ、積るわって感じ。
それでもめげずにアウトドアアトラクション。2月の19日にブルーバッジガイドディというのがありました。なんとかディ(前にご紹介したオープンハウスやお宅訪問、ガーデン訪問もしかり)に弱いわたしは、さっそく参加することに。イギリスのガイドさんたちは難しい国家試験を受け、それに資格を与えられたひとたちだけが、プロのガイドとして観光客を案内できるというシステムになっています。この資格をブルーバッジで示し、ブルーバッジガイドと言います。
この日は記念日で、ひごろ活躍しているガイドさんたちが一日、ガイドとはなんたるかの宣伝に無料奉仕でロンドン案内をしてくれます。ロンドンの各地、いろんなところでツアーが組まれます。主に自分たちの足で歩いてまわる、ウォーキングツアーですが、美術館巡り、パブ巡りなどもあります。日本語ガイドの大英博物館めぐりとかもありましたが、
個人的には、ロンドンの観光は英語で説明してほしいと思い英語ガイドを選びました。
さて、友人たちも巻き込み、わたしたちの歩いたところは、グリーンパークからメイフェア、最後はセルフリッジ(百貨店)のところで解散。ツアーのテーマは 「ロンドンに残る有名アメリカ人の軌跡」。Englishman in New York というスティングの歌ではないですが、これはそれをもじって  American in London ですかね。ウエブサイトのインフォメーションのタイトルは「Stars and Strips…. American in Mayfair」でした。Stars and Strips  はアメリカ国旗(星条旗)とスター(有名人)をもじってのことでしょう。こういう言葉遊びが好きなんだわ、イギリス人って。
グリーンパークから北へ、工事中のブラウンズ(ホテル)がファーストストップ。ここは ルーズベルト(アメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトのお父さん)がハネムーンに来たところ。近くのセントジョージ教会で結婚式をあげたということです。この教会ははたまたミュージカル「マイフェアレディ」のコックニーのお父さんが結婚式をあげるのに「教会に行こう」を歌ったその教会。ふむふむ。よく知ってる固有名詞がでてくると興味深いこと。
昔の貴族の名前の残る通りや広場。グロブナー伯爵にちなんで、グロブナー広場。アメリカ大使館の前の広場です。リンカーンだったかクリントンだったかジョージ・ブッシュか(もっと古かったっけ?)の時代、アメリカ大使館が、グロブナー家のこの土地を購買しようとしていたらしいのです。
たしかに地名や通り名には個人名が多くついています。オードリー(ヘップバーンじゃなく)はこれまた貴族の名前。
そのあたりに、これまた、多くのアメリカ人に好まれたという庭があります。この庭はいわゆる、秘密の庭。まわりは建物に囲まれ、建物の住人には格好の借景になっているのです。いいな、こんなところに住めて。公共の庭でだれでも楽しめるのですが、あまり知られてはいないみたいです。こんなところにこんな庭が、という驚き。
ロンドンの街中には「こんなところにこんな自然が」と思う発見がけっこうあって、そういうものを探して集めるだけでも、楽しいかもしれません。一般のひとが、メモリーとして寄付した名前や言葉入りのベンチがたくさん回りに配置されていて、ゆっくり腰を落ち着けのんびりするには格好の場所、こころの隠れ家かなあ。もう少しあったかくなったら、また足を踏み入れてみたいと思う場所でした。
建築的にはおよそ「うつくしい」とは思えないが警護が厳しそうなアメリカ大使館を見て、ボンドストリートへ出ます。ここにはベンチに腰掛けた二人の彫像があります。これは第二次世界大戦時のもとイギリス大統領、ちゃう、イギリス首相チャーチルと作家のバーナードショーの二人です。ボンドストリートはロンドン屈指のショッピングストリート。言わずと知れた高級ブランドのブティックが並ぶ通りです。ショッピングを締めくくるセルフリッジ百貨店でツアーは解散となりました。
集合時に「わたしはブルーバッジガイドと(ロンドンを)歩いた」というブルーのシールをメンバーとわかるようにペタンと胸に貼り、メモ用にブルーバッジの宣伝の入った鉛筆をくれました。というのに、メモもとらずうろ覚えで書いてるから、あいまいなとことか、間違ってるところがあるかもしれない。ブルーバッジガイドさんに指摘されるかも。
寒かったぁ~ですけど。またウォーキングツアーに行きたいと思いました。
ちなみにこの日のガイドさんはブライアンさんといって、本職は会計士だそうです。

 2005年4月19日                    
(ちなみにこのツアーに参加した日は 2月19日でした)
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..April, 2005

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