34 ロンドナーはおしゃべりか?

ほんとによくしゃべりますね。会話をよくするというか。友人・知人・見知らぬひと・店員さん、どんな人間関係でも、ともかく、まず、しゃべる。
お店に入るとまず「Hello」。続くは「How are you?」と聞かれたら「Fine, Thank you」と少なくとも返し、無言ではいかんでしょうなあ。続くは「And you?」 一応、聞かれたらあちゃらのご様子も聞き返してあげんと。日本語に直すとかえってヘンなんですが、「こんにちは、お元気ですか?」「はい、元気です。であなたは?」
これって、昔のイギリス人同僚が日本企業に勤める同じくちよっと日本語がわかる外人さん相手に初心者日本語会話やってましたけど。
心情的に「あ、お元気ぃ?」って感じで「あれ、わたし、このひと知ってたかいな?」と思うくらい。まず、ここまでで雑誌ひとつ買うのに3分は使う。わたしはこの店には初めてくるし、ぜえったいに知ったひとはひとりもいない、と思っても、そう聞かれたらまるで旧知の友のように、会話をピンポンしないといけまへん。まあ、これがしんどいっつああ、しんどいし。人間的っつああ、人間的。「かいわ」「かいわ」「かいわ」
スーパーでもなんでもこちらのひとはおしゃべり。
あいさつ。ご機嫌伺い。
ともだちでもないのに?
日本だと「いらっしゃいませ」という便利なことばがあり、お客様は神様なので、神様はひとこともしゃべらなくとも事は済む。だいいち「いらっしゃいませ」といわれて「はい、来ましたデ」というのもへんですなあ。日本語はそういう言葉なんでせう。ひとに呼びかけるときは「あのぅ~」ですむし。
歴史的に考察しますれば、こいつら騎馬民族なので、まず草原で知らない影と出会ったら敵か味方か見極めるためにあいさつするという習慣がついたのでしょうなあ。スーパーのレジ。地下鉄の中。バスの中。そこらじゅう、知り合いだらけか、と思うような他人どうしの会話が展開しております。
いきつけ?のスーパーで。レジでえんえん待つことが多いし、こちらのレジ係りってどんくさい(!失礼、ゆうっくりとお仕事していただくから。。。だからといって丁寧なわけでもないのが?)ので、レジにいる時間が長いのです。これがロンドンのキュー(列)事情を悪くしている一方だとわたしは一方的に解釈かつ理解しております。
今日も今日とて列のわたしの前の中年白人カップルとレジの黒人のおにいさん、さっきからえんえん会話に興じておられます。もうとっくに精算は終わっているはずなのに、なにやら和やかな雰囲気で長年のお知りあいなのかと思いきや。そうではないらしい。話を聞きたくもないが耳に入ってくるので、なんとなく暇つぶしに聞いていると、どうもこの白人夫婦が最近リージェント・パーク内にあるロンドン・ズー(動物園)に行って気に入ったらしく、そのレジの黒人のおにいさん、お郷がアフリカで、動物が恋しい。動物園にはこっち来てからまだ一度も行ったことないんだ、アフリカは動物が多いからねえ、懐かしいよ、1回行きたいとは思ってんだ、で。えんえん話がはずむところが不思議。
そんなことより、あとに待ってるひと(実はわたし)にちよっとは気を使ってえな。はよう、せいよ。といいたいところ。やっと「Bye」「Have a nice evening!」「You, too.Take care!」「Bye」で終わり、わたしの番がきて、やれやれ。
しかし、このおにいさん、だれにも愛想をふりまくやさしい方なのでしょう。きましたきました。「Hello」続くは「How are you?」「Fine, Thank you」
わたしがレジをやるなら量り売りの野菜や果物は秤に載せて計っているあいだにスキャンでさくっと処理できるものを同時にできるし、そうやっていればさっさと効率的に仕事が終わる、と考え、レジ係りに近い端の方にそういう野菜や果物をまずおいておくのですが、これまた1回にひとつのことしかでけへん。何回かいろんなスーパーで試みてみたがどうやっても、こいつらには効率よい仕事っつうのはでけん、ということがわかりましたわ。余談ですが、さすが、チャイニーズ系スーパーは、早い!
「あのさ、さっきのご年配のご夫婦ってお知りあいなの?」と聞いてみよかと思ったがそんなことしたらまたえんえん話がはじまってまたまた後ろのひとの迷惑になるよねえ。だからやめとこ。と無言のわたし。楽しそうに会話してるのを見てるとうらやましい気もするけどね。
バスの中で。
イタリア人とフランス人の女子学生らしき二人のバスの中での英語の会話。
英語でしゃべっているから、もちろん何を言っているのかわかるのだが、アクセントのある英語で内容から、イタリアとスペイン、もしくはフランスかな?と思った。結局イタリア人学生とフランス人学生と判明したが、最後にお互いの電話番号を交換して 別れた。ということはこのバスでたまたま隣り合わせになったというだけ?隣といっても通路隔てた隣。大きな声で言い合ってるのよ。
まあ、ただ黙ってはバスに乗らないのよね。バスに乗っていても黙っていない、というか。あっぱれ。
同じようなラテン語系なのに、原語でなく、ふたりともなまり入りの英語でしゃべってるのがわたしにはなんとなくほほえましいというか、おもろいというか。英語は国際語だ!という感じでしたかね。えらい。
 なんとか、3月にひとつ送れましたね。ネタはあるもんで。また言葉に関する話題は興味あるので、また見つけて行きたいと思います。

筆者注)あ、今回はなし。簡単でわかりやすい内容でしたかいな。

2004年3月22日                         
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..March, 2004

コメント

このブログの人気の投稿

花日記 イギリスの四季の花・初夏~夏編

イートン・カレッジ

番外編・イギリスのドア番号と家のサイン