11 春の訪れ

ロンドンも、3月はわたしの誕生日のころとなると、啓蟄(これ絶対、ヘンカンでないと書けないよね)ともなって、虫も花も、人間もごそごそし始めます。今までの暗い空、暗い空気、灰色のひとたち、茶色い死んだような街路樹よ、さようなら。  水仙。クロッカス、パンジー、ブルーベル。いっぱい花が咲きはじめます。春だ。春。
空気はまだ冷たいけど、春の訪れを視覚で感じることができます。二月でも桜のような花が咲いているお宅も拝見。庭先で花見。日本のように、ぼてっとまるまるピンクが樹にこんもり、っていうさくらではございませんが。一本、そくっと立ってて。でもさくらかしら、これ?これがホントのサクラ?で、こっちは気温が低いからか、ずーっと散らずに咲いてます。これも最初のころはちよっと驚きでしたが。こんなもん、と思って見てる分には、まあ、いいかな。
日本は今年えらい開花が早かったそうな。いいな、あのぼてっというピンクの塊。わたしゃ、この時期えらい花粉症。ふえxxくしょうい(おもろいからこのままにしとこう)。
エゲレスはガーデニングの好きなお国柄。みなさん、玄関の前庭や、見えないけど、奥の中庭なんぞに冬の間、ちゃんと土おこしをして、植えてらっしゃる。それが今ごろになると・ぞくぞく・もそもそ・つぼみになり、花と咲くのですね。
いつもはなにげなく、通りすぎる他人の家の前庭なんぞも、きのうなかった花が咲いていたりすると「おおっ?」と見てしまいます。そうか、春なんだわって。
これからは、日も長くなるので、夕方も遅くまで明るくなり、どんどん行動範囲が伸びます。土・日も近出・遠出しなくっちゃ。
3月はじめにキューガーデン(去年のジャパン2001を書いたとき、きまぐれエッセイにも登場しましたが)で「蘭祭り」があり、見に行きました。蘭は温室の中の飾り付けで、いろいろ飾り方も美しく、ははあって感じでしたが、外の庭が。またすてき。
まず、「黄水仙の散歩道」と銘打って、道の両側、みんな水仙。まっきいろのふわふわ・じゅうたんのよう。じゅうたんと言えば、入り口付近の芝生地にも、「クロッカスのじゅうたん」。こちらは白と紫のクロッカスちゃんだらけ。折りからの強風で、芝生のそこここに置いてある、でかい(重いであろう)木のベンチもへっくり返ってしまっているくらいでしたが、お花は元気。季節により、いろんな花が咲き、それを考えて植えつけしてるのでしょうね。当然。バラの苗木がさっそく植わっていました。6月にもぜひ来なくっちゃ。バラはリージェントパークのクイーンズ・メアリーズ・ガーデンが美しいのですが、ここもけっこう期待できるかも。
わたしゃ、母に似ず、土いじりはだめなんです。むし、とかなめくじ、とかが、ほら、いやなの。花には虫がつきものだけど。花を見てる分には、いいです。もちろん、いただく分にもね(強制かい?)。でも育てるのはどうも。今の居地はせまいし、日当りもよくないし、育てるもなにもないけど、よくしたもんで、大家がわたしの部屋の前の庭を世話してくれてます(当然か)。借景はまあまあ、よし。大家の中庭の方が広くて素敵なんですけどね。わたしの部屋からは見えないから。
ほんとうにイギリス人というか、郊外に行くとさらに、庭付き一戸建て住宅の個々の庭は素敵にしつらえてあります。持ち主の個性はでるでしょうけれど。季節にあわせいろいろな花・樹を植え、色を考え。
大きな公共の庭とかパークはもっとすごい。そのせいか、春の間だけしか公開していないマナーハウスの庭園とかもあって、これからが行きどき、です。行かなくっちゃ。
今年は女王陛下在位50周年のジュビリー記念で、下々(しもじも)には関係ない6月のメイン行事にも関連して記念式典が2000年のミレニアムにもまして目白押しです。行かなくっちゃ。あ、そうそうここで脱線ですが、なんと、6月の3日か4日に、バッキンガム宮殿の庭を一般公開して、女王陛下主催のピクニック・ロックコンサートやるんです。クラシックじゃなく、ロックなとこがいぎりす?それにピクニックというところもまたイギリス。夏になると、芝生の公園で、コンサートがよく開かれますが、みな、お弁当や、ワインなどもってきて楽しんでます。
今や化石となしかけの大物シンガーや若いのやらが出るみたい。限定抽選応募はもう終わったと思います。わたしはきっと旅行するだろから、と応募しませんでした。テレビでやるかなあ。たとえば、皇居の庭で、忌野きよしろう(だっけ?)とかがコンサートやるとか考えられへんよなあ。日本じゃ。女王さん(ごめんね、きやすくお呼びして。でもそんな感じ)も70は過ぎておられるのだが。
String of Pearls(う~ん、日本語に訳さない方がキレイかな)と称してまた、各地でひごろ見れないような催しが出てきます。行かなくっちゃ。
またこのエッセイでも「みずほレポート」をご紹介しますね。行かなくっちゃ。

ついでに(?)先週からあの、和泉流20代目、狂言の和泉元や(漢字がでない!)が来てるの。火曜日に見に行きました。大英博物館のグレート・コートでクリスチャン・ディオールのデザイナーがデザインしたというおハデな衣装でお披露目、地下のシアターでシェイクスピア狂言と伝統狂言を披露しました。
隣に陣取っていた学生さんが、「ああ、あれが結婚に反対したおかあさん」、って。感激してました。すごいで。やっぱ。肝っ玉かあさんって感じ。隣の学生さん、クリスチャン・ディオールの衣装については「はじめて見るガイジンがあれ見てあれが日本の狂言の衣装や,思われたらいややなあ、ちゃんと和服でやってほしかったわ」同感。
英人がはっちょんすると、これが、「キヨージェン」になる。3回目でやっと理解しました。
去年のシェイクスピア座での野村カンパニーに続き、(日本でも見たことないのに、ここでは、Lucky me!)二回目の狂言体験。短いながら、ほんと舞台には感動しました。お母さん司会、姉妹といっしょに三人舞台で、スペースも舞台装置も限られてしまうのでしょうが、「初心者用狂言講座」をしてくれて、ますますおもしろい。わかりやすい。
和泉さんいわく狂言は「600年かたちを変えずに受け継がれている日本の舞台文化で唯一の喜劇」。600年経っているのに感動できるわたしはまだまだ日本人?
一芸に秀でているヒトはすごい。ヒトに感動を与えられる人になれるっつうのはすごい。
また日本とイギリスの文化にこころ踊るシーズンとなりそうです。

2002年3月29日                      
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..March 2002

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