44 ロイヤル・ウエディングでしたの

こっちはチャールズ皇太子とカミラさんの結婚式の話題でもちきり。以下、敬称おもいきり略します。
挙行は4月8日の予定が、法王がなくなったため、結婚式の日程とお葬式が重なってしまったので土壇場で一日のばして9日の土曜日になったんです。今度はそれがグラン・ナショナルという4月9日に開催される国民的競馬*に影響。このために疾走時間を20分ほど延ばして結婚式の中継と重ならないようにすることになりました。
法王なくなる→チャールズの結婚式のびる→グランナショナルの開始時間遅くなる
というふうに、風吹けば桶や、方式にどんどん影響されていきます。
まあ、西洋の世界では、大安とか、友引とかないから一日ずらすくらいでいいんでしょうけどね。
ところでこの二人、結婚する前からやんや、なんやかんや言われ、批判され、ゴシップのネタにされ、やっとこさ縁を結ぶ、で結婚していい、っていうとこまで行ったと思いきや最後まで運のない?カップルよね??まあ、話題にされるのはいいことだ。
結婚も、ジミ婚めざしました。チャールズは現イギリス女王の長男、一応?ロイヤルファミリーの一員であり、かつ、なにをかくそう「次期王位継承者」です。この次期王位継承者ってのがよく新聞などで言われ、彼を指す場合はたいてい、この言い回しが使われています。そ、次の王さん、キングなんよ。なのに相手は再婚、離婚歴のあるひと(まあ、自分も再婚であるが)しかも結婚前からのつきあい。なおかつダイアナと結婚したあとも関係は続いてた。ダイアナがテレビのインタビュー番組で「わたしの結婚生活には3人がいる。あまりにも窮屈」などと言っておりました。二人が別居し、離婚となり、ついに事故死にいたるまでもカミラとチャールズは事実上夫婦といっていい関係であった。などなど。
しかもねえ、カミラってどう贔屓目にみても「美人」とはいいがたい。。。。はじめ報道されたとき、こんな男みたいな勇ましいひとがいいんだ、、、、、と不思議でした。ダイアナと比べても、年はとってる(チャールズとおないどし)、気品があるよには見えない、ブロンドだけが共通点でしょうか。さわがれ、こきおろされてたけど、このごろはまあ、ちとましになったかなあ、と。愛されてる自信でしょうか?キレイになられた気もします。
さて、結婚式当日はお昼の12時からBBC1 でテレビ中継。個人的には別にひとのことだし、どうでもいいんだけど、この報告をみなさまにせねば、という半ば犠牲的精神でもって土曜日の昼からテレビにかじりつきました。メモとりながらね。ウィンザー城の目の前にこさえたBBC特番ライブスタジオも芸能界のスタイリスト解説者なんて呼んでカミラはじめ、結婚式に出る双方の家族、招待者の服装を思いっきり解説しておりました。あえて非難とは言わん。。。
ジミ婚、のはしりは、まず「次期王位継承者」でありながら「離婚歴のある女性」、と結婚するので(ダイアナと最初にあげたような)ロンドンの中心の教会での華々しい結婚式はなし。彼はウィンザー市**の住民ですから、ウィンザーのギルドホール(市役所)で、市民的、登録をします。
中継はマイクロバスで参加する双方の家族がホール前に到着する様子から始まります。すでに沿道には、ひとめ、見ようと世界各国から集ったやじうまたちの群れ。親族でも若い子はいます。カミラのお父さん、カミラそっくりのブロンドのシスター。若い子たちは「次期王位継承者」と叔母さんの結婚式でも、なんと、超ミニ(スカート)。BBC のアナウンサーに「セクシーシャンド」―シャンドはカミラの旧姓―なんて言われておりましたが。そう、ミニスカートにブーツはいてるのもいたもんね。若いっていいわね。
みなカジュアルな感じの服装でバスを降り、沿道の観客たちに手を振りながらギルドホールの中に消えていきます。ホールの前ではさっきから白と緑のストライプの制服を着たジャズバンドの一団が演奏しておりまする。これ、主催者側かと思って、なんて粋な王室、なんて思ってたんですが、どうも、一般市民のボランティア?らしい。沿道のみなさまは早朝からというか、前日からキャンプしてセキトリしてたひともいるらしく、王族たちが来るのを見るために長いこと待っているひとたちのためにそのあいだジャズで楽しませてあげてるってやっぱやることがイキ???
双方親族(チャールズの息子ふたり、ウィリアムとハリーを含む)が到着したあとは当のお二人。エリザベス女王のロールスロイス*3 をお貸しいただいてついにロイヤルカップル登場。カミラのドレスが注目されます。真っ白じゃなく、「オイスター」色といわれておりましたな。
参列する親族、当人たちがホールに入ってしまうと、ドアは閉められ 約25分の市民的登録結婚式は中継できないので、中の様子はわたしたちには見れません。式を終えて扉からでてくるカップルをまた中継が追います。ここで二人は晴れてハズバンド・アンド・ワイフ!!!カミラは ダッチェス・オブ・コーンウォール*4!!
ここではお母さんであるエリザベス女王と夫君エディンバラ公はまだお見えになっておりません。市民の結婚登録に出席するのは女王としての威厳を損なうから、という理由らしいです。で、ギルドホールでの登録のあとで、ウィンザー城内のセントジョージズチャぺル*5 にて宣誓式。カンタベリー司教の前でブレッシング(祝福)してもらいます。お祝いというより、二人の宣誓式でしたね。
オイスターホワイトのワンピースドレスから、うすいブルーグレイのロングドレスに着替えたダッチェス・オブ・コーンウォール。王冠をかぶれないからか、ヘアアクセサリのようなオリンピックの初期の冠のような麦わら色の飾りをしておいででした。「ハット(帽子)」と言ってたアナウンサーもいたなあ。あれ、ハットなんだっけ?
式を終え、教会から一般聴衆の迎え待つところへ家族写真をとるために出てきたときに風が強く、ハットor 髪飾りが飛ばないように押さえておられた姿が印象的でした。
式のあとは800人の招待客をお招きしてのフィンガービュッフェパーティですって。しかし、カミラの前夫氏も新しい奥さんといっしょに招待されてるっていうのも不思議。有名人はいっぱいいましたね。ミスター!ビーンことローワン・アトキンソン、フィル・コリンズ、音楽家のジュールズ・ホランド、シェークスピア俳優のケネス・ブラナーなどなど。女性は親族も含め、帽子大会!いろんな帽子が、アスコット競馬もさることながら舞っていましたね。弟くんのエドワードの奥さん、ソフィーは自分たちの結婚式には定番である「帽子」を禁止したのに、今回は自分でも帽子かぶってましたね。
ブレッシングが終わってセント・ジョージズ・チャペルから二人が外へ出るときの音楽はヘンデル*6 の「水上の音楽」でした。それに影響されてか、テレビが終わってから日曜日の中途半端な時間、どこかへ行きたいがどうしよう、前から行こうと思っていた「ヘンデルハウスミューゼアム」に行ってしまいました。
後日談。この結婚式の中継の視聴率は競馬中継のそれより下回ったということです。

 <うんちく他> 今回は本文よりこっちが長い?
*グランナショナル はイギリスの最大の競馬大会です。何年か前にこの競馬見学にオリエント急行にて優雅に行った珍道中の話は前に書きました。興味のある方は再読ください。
 2002年の12ばんでした。 「オリエント急行と競馬」
また、結婚式の中継のために競馬の中継も最終レースのスタートがいつもの3時45分から、25分遅れの4時10分はじまりに伸びたのも、女王が大のこの競馬ファンだから、ということもあるようです。

**ウィンザー ロンドン南西に位置する町。いわずと知れた女王さまの居城。
ウィンザー城に住まわれております。時同じくして、その女王陛下のお気に入りウィンザー城を
テーマにしたドキュメンタリーもタイミングよくやっていて興味深く拝見しました。
またミーハー的知識を追加いたしました。

*3 エリザベス女王のロールスロイス 
世界中で、なんといってもどこにもない一台!という理由でしょうか、この車にはナンバー
プレートがついておりません。ナンバープレートがついていないから、女王の車だとわかる。
車の屋根には燦然と輝く女王の紋章が。

*4 ダッチェス・オブ・コーンウォール 
えらい(高貴な)お方には幾つも敬称・尊称がつき、ダイアナはもちろん、プリンス・オブ・ウェ
ールズ(チャールズ)と結婚したからプリンセス・オブ・ウェールズだったんですが、2度目の
奥さんに同じ称号を与えられないっつうんで、苦肉の策です。
クィーンにもなれないんです。いまんとこ。

テレビニュースで、カミラの称号を知っているか?と一般人に聞いていました。
中年のおばさん 「プリンセス・オブ・ウェールズ」NO!
小学生の男の子 「クィーン!」                         NO!
中年のおじさん 「ダッチェス・オブ・コーンウォール」YE----S! 正解です。

それからテレビではなにかのニュースにつけ、アナウンサーがダッチェス・オブ・コーンウォール、ダッチェス・オブ・コーンウォール、ダッチェス・オブ・コーンウォールってうるさいの。いやでも覚えるわい。ちなみにコーンウォールの地元民の反応としては「関係ない、キョーミない」って。

*5 セント・ジョージズ・チャペル ウィンザー城内のチャペルなのですが、なんと、ウィンザーの
一般市民もここで結婚式あげたり、洗礼したりしているんですって。

*6 ヘンデル ドイツ生まれのドイツ人だが、ジョージ一世にドイツ時代から仕えイギリス人には
自分たちの国民的音楽家と思われている。ウエストミンスター寺院に有名作家、音楽家と並
んで埋葬されているのが彼。イギリス時代に住んでいたロンドンの住居(ボンドストリートに近
い一等地にございます)がミューゼアムとして一般公開されています。

 <スキャンダル大好きコラム>
なにを隠そう?カミラの曾々曾祖母はアリス・カペルというひとで、カミラ誕生の同年になくなられたらしいが、このひとはエドワード七世の愛人(ミストレス)でありました。
歴史は繰り返す???やはり、ロイヤルファミリーに縁があったというか、宿命だったのかも。どちらもミストレス(あ、いまや正妻か)というのも。ちなみにエドワード七世というのは、ヴィクトリア女王の息子で、現エリザベス王から数えるとおじいさんのお父さんとなります。 
ヴィクトリア → エドワード七世→  ジョージ五世 → ジョージ六世 → エリザベス(現)二世

2005年4月20日                    
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..April, 2005

コメント

このブログの人気の投稿

花日記 イギリスの四季の花・初夏~夏編

イートン・カレッジ

番外編・イギリスのドア番号と家のサイン