16 イギリス新聞事情 コレクターズ・アイテム

イギリスの新聞はいくつかありますが、どの新聞やでも内容はいっしょという日本と違って個性があります。ま、これも新聞屋さんが読者におられたら、怒られそうですが、ちゃんとした?いわゆる政治的にからんでそれを読んでると、ああ、そっちの見方なのね、とその人のポリシーがわかってしまう。
代表的なのは、タイムズ(保守党派)、ガーディアン(労働党派)、インディペンデント(ノンポリ?)
スポーツ紙を含め、タブロイド版と言われるものはたくさんありますが。
夕刊紙がイブニング・スタンダードとか。
地下鉄の駅などで、ただでもらえるのがメトロ紙。これは薄くて、三文紙と同じようなスキャネタ(スキャンダル・ネタ=作者造語)が多い?映画館情報や、テレビ欄もあり、コンパクトにまとまっていますなあ。人気があって(ただだし)、駅ではわたしの通勤時間では遅くてなくなっていることが多い。落ちてるのや座席に読み捨てされているのを拾っては読んでます(こじきかい、わたしゃ?)。
わたしがこのごろ凝っているのが、名指しで言うと Daily Mail 。ま、読みやすいのですが、内容はほとんど芸能人のゴシップネタ、スキャンダル、どーしよーもない内容のも多くて、あんまし、薫り高き英語の勉強にはならんかも。
平日は40ペンス(約70円)で土曜日が60ペンス、日曜日は The Mail と名を変え、ぶあつい週刊テレビ欄雑誌などもついて1ポンド10ペンスなり。
もともとは先日(14)でお伝えした、ベッカムファンの姪っ子のためベッカムの写真を目指して比較的読みやすいと思われる、ベッカムが載ってそう、と思われるデイリーメール紙を毎日買っておりました。こっちの新聞はねえ、日本のように宅配がないので、自分で駅のニューススタンドという新聞屋さんで、買わねばなりません。毎日、毎朝(もちろんイギリスでも日本の新聞をご購読する方は配達してくれます。その代わり、ひとでなくて郵便で来るけど)。
話またそれるけど、ミルクマンってのは牛乳配達やさんで、これは各ドアに毎朝届けてくれるんですなあ。紙パックじゃなくて、ビンで。おもちゃのような荷台が後ろについた車でとことこやってきます。
話もどして、スポーツ新聞もあるのですが、ほら、ご多分にもれず、おねえちゃんの裸や水着姿やその手のとても13歳の女の子に見せられないという記事もベッカム写真の裏にこっそり、ついてたりするから。
おばちゃまとしては、取捨選択せねばならんわけよ。
で、このデイリーメール紙は「クーポン集めてなんとかを当てよう天国」「インスタント・キャッシュ天国」
クーポン集めるというのはいろいろあるのですが、わたしが「はまって」しまったのが、「クーポン30枚集めて海沿いのコテージを当てよう」っつうやつ。イギリスのどっかは秘密だが、海沿いの絶好のロケーション?に2ベッドの藁ぶき屋根のグレードIIコテージが当たるっつうんです。もちろん、お庭に、海沿いの納屋まである。
夏にハンプトン・コートのフラワーショーの会場で、デイリーメール社がレプリカまで出しておりました。毎日の新聞に違う番号のクーポンが印刷され、その違う番号を30枚集めるのです。うち4枚は日曜版から集めねばなりません。しかも、そのフラワーショーの会場を訪れたら6枚サービスクーポンがもらえちゃうという。客集め、購読量増やし、見え見えですが、のってしまうおろかな一般市民おばちゃんのわたし。
内装はローラ・アシュレイのインテリアで、当たったひとは、このコテージがローラ・アシュレイと提携してて、1000ポンドおまけで散財する分までついてくる。
会場はさすがフラワーショー会場で、庭のセッティングもスポンサーがあって、綺麗にしているし、かもめの声なんかをわざと流して、海辺の雰囲気。納屋のそばには釣り網なんぞもわざとらしく置いてあったりして?
以前にイギリス人同僚女性が「ノッティングヒルのモダンアパートを当てよう」に必死になっていたとき、「ふふん、そんなもん、集めても当たるかいな」と鼻でせせら笑っていたのに。自分も同じことやってる。
もうやめよう、と思ったころ、また次の新手が。「ローラ・アシュレイのインテリアを当てよう」「南仏のリゾートマンションを当てよう」「ここ10年間のフリーホリデーを当てよう」「生涯の保険ペンション(年金)を当てよう」
で、ついつい、せこせこ、新聞紙のクーポンを切り抜いては集めてんの。は~。道は長い。40ペンスとはいえ、ちりも積もれば。それ貯金した方が、近道では?と自問しながら。ま、束の間の夢よね。
インスタント・キャッシュというのは、まず土曜日版を買いますと、中にくじのようなものが入っていて、銀色のカバーをコインなどでこするとですなあ、数字が9個出てくるの。そのうちの3つが同じ数字であれば、当たり!その金額の現金がもらえる、っつぅの。
これが一週間ずつ、毎日変わります。日曜日はダブルチャンスなんちゃって、2回コラムがあって、2回楽しめる?
で、ここからがトリックで、ふつう、毎日2つ同じ数字が必ずある。
10,000ポンドとか、25,000ポンドとかね。1ポンドっつう場合もあるが。それが2つあってあとひとつ、わざとらしく See Mail(メール紙をご覧ください)になっている。その日の新聞のラッキーナンバー欄に印刷されている同じ数字が載ってたら3つめ、と数えて当たり!あと、ウエブを見てボーナスナンバーを集めることもできる。
10万ポンド当たった!
ある日、新聞を見ると数字は100,000 ポンド。確か、まだ今日のインスタント・キャッシュはこすってなかったよなあ、今日は何だっけ?どれどれ?
え??? 100,000 ポンドが2つある。。。。。。。。
うそ。。。100,000 ポンドが2つある。。。どう見ても2つ。
ほんまに当たったんかいな。ええ、もう昼ごはんなんか食べてるひまやないわ。電話せねば。
当たるとその日か、翌日までに「ご当選ライン」に電話して、申告せねばならんのです。これもないとお宝はもらえない。うまく出来てるよね。
わ~い、もう会社なんか辞めてやる、辞めてやるう~!10万ポンドを長期信託に入れれば利子が4%くらいつくので、とすると、ふむ?毎月4000ポンドの利子やんか、遊んで暮らせる!
家買ってえ、&(買えんかなあ10万くらいじゃ)旅行してえ、$遊ぶわん£。
しっかし、まてよ、なにか、わながあるはずだ。これには。きっと、そうきっと、落とし穴ってやつね。たとえば、電話が例によって通じないのよ。人気歌手のコンサートチケットを売り出しの日にかけてもかけても電話が殺到して、通じないってことあるよね。
でもまあ、これは当選するようなひとってそんなにいないだろうから。すぐにかかるかなあ。どうしよう、今すぐ電話しに、行くべきか。
ちよっと待てよ。
これって。昨日の数字やんか。
わたしのシートに100,000 ポンドが2つあったのは水曜日で、100,000 ポンドが新聞に載っていたのは木曜日の新聞でした。
ま、束の間の夢よね。
けしとんだけど。
当たるまいと思いながらまたせこせこと新聞を買っています。長い道のりや!

むらの氏注)
銀行員ですので、金利に関する部分については厳しく検証します。10万ポンドを元金に4%の金利では「毎年」4,000ポンドの利子が付くのであって、「毎月」4,000ポンドの利子ではありません。

作者注)おっしゃるとおりでござりまする。強欲なわたしを許して。

2002年10月9日                  
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..October, 2002

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