ニューワールドの味


いきなりまた新しいシリーズつくっちゃった。
 ワイン・テースティングなるものをしております。ウォーキングの会のメンバーで、派生的にイベントをやってるのですが、パブめぐりとか、メンバーのひとのコンサートとか。恒例の月いち、歩く会に加え、2ヶ月に一回、有志でワインテースティングをやっております。

 前回2回はそれぞれ10ポンド前後のワインを持ち寄ってやっていたのですが、今回は会費を決めて、わたくしがなんと「選択」し、講釈たれるという。ま、飲み始めると誰も聞いてないからいいんですが。

 メンバーの方のひとりのお宅を会場に、今回のテーマは「ニューワールド」。いきなりニューワールドって言われてもなあ、というお方のために、カンタンに補足説明しておきます。

 ワイン作りはヨーロッパから発生したもので、フランス、イタリア、スペインが主要生産国です。イギリスは寒いので、もちろん、イギリスワインもあることはあるのですが、生産量は少ないです。が、イギリス人は呑み助なので、ワイン消費量はすごいのです。
 むかしフランスのアキテーヌ(今のボルドー地方)がイギリス領土だった(これまた説明しだすと長くなるから別の機会にゆだねるとして)ということもあり、イギリスではワインが昔から飲まれていました。ヨーロッパのワイン生産国を「オールドワールド」と言うのに対比して、新たにワインをつくりだした、主にはイギリスの植民地であった、新しいワイン生産国を総じて「ニューワールド」というのです。アメリカ(カリフォルニア)、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、アルゼンチン、南アフリカです。
 ヨーロッパから新天地で新しいワインをつくりにいってるメーカーとかもあり。有名なのはロッチルドと提携した、オーパスワンとか。スーパートスカンといわれるサッシカイアの作り手の甥がチリで作ってるワインとか。モエ・エ・シャンドン社グループがつくったニュージーランドのワインとか。などなど。試してみたいワインはいっぱいありますね。

前置きが長くなってしまいましたが、今回味見したのはこの6本



 ティスティングではこの3段階でワインをテースティングします。
 1) Colour   2) Nose  3) palate 
 グラスに注いだらまず、目でワインの色を見て、ノーズ(香り)を鼻でかぎ、舌でパレット(味)です。色は透明感、くすみがないか、スィール(グラスをまわす)してレッグもしくは涙といわれるグラスに残るしっとり具合でアルコール度と熟成度を見ます。香りと味は同じ場合もありますが、パレットにはタンニンtannin の度合いを感じとり(ただし白にはなし)、酸味 acidity もワインの重要な要素のひとつです。

白2本

1) Autumn Riesling の名にひかれトライした、
Penforlds  社 Koonunga Hill
South Australia
Riesling 2008
アルコール度 11.5%

ライムのような薄い透明な黄緑っぽい黄色
瓶には「フローラルな香りで、ライム、グリーン、ターキッシュ・デライト(甘いゼリーみたいなトルコ風お菓子)」とありました。あっさりしてるけど、さくっと飲みやすいかな。バーベキューにあいそう、という意見でしたね。



2) Montana 社
New Zealand
Marlborough
Sauvignon Blanc 2009
アルコール度 13.0%

ニュージーランドと言えばマルバラ、マルバラと言えばソーヴィニョン・ブランと言わしめたニュージーランドを代表する白ワイン品種を選んでみました。
13% だし。色は黄緑っぽい黄色。2009年と6本の中では一番若いのに、しっかりしたこくのある味わいでした。ミネラルもあり、ネトル(イラクサ科、花粉症に効くハーブ)、グリーンピーと書いてましたね。

今回は白2本だったので、ソーヴィニョン・ブランと並ぶ白の品種シャルドネが入れられなかったのが残念ですが。。。また次回。


赤4本

3) Woodbridge by Robert Mondavi 社
California
Shiraz 2007
アルコール度 13.5%

色は濃い赤でシラーズ特有のペッパー(胡椒)あり。ダークチェリー、プラム、なめし皮というのもありでした。
フランスではシラーとしてコート・デュ・ローヌやプロヴァンス地方でよく使われるぶどう品種。新世界に行くと、シラーズと呼ばれます。






4) Ninth Island 社
Australia
Tasmania
Pinot Noir 2008
アルコール度 13.5%

フランスではブルゴーニュ地方で使われる、ぶどう品種ですが、新世界も負けてません。
明るい透明なルビー色。チェリーやラズベリ、タンニンはマイルドです。
シラーズよりさきにこっち飲んだほうがよかったかも。ごめんしゃい。




5) Catena 社
Argentina
Mendoza
Malbec 2007
アルコール度 13.5%

色は濃いパープル。マルベックはロワールではコー、カオールではオーセルワと呼ばれるぶどう品種ですが、ボルドーなどでも使われていますが、単一では使われず、主に他の品種とブレンドする品種です。これは100%マルベック。アルゼンチンの代表的ぶどう品種です。




6) Deimersfontein  社
South Africa
Wellington, Western Cape
Pinotage 2008
アルコール度 14.0%

トリは南アフリカです。ピノタージュはフランスでいうところの、ピノ・ノワールとサンソー(こちらはシャトーヌフ・ド・パップ、ジゴンダスで使われる品種、タベルのロゼにも使われるそう)を交配してつくった、南アフリカ独自のぶどう品種です。
色は濃いガーネット、コーヒーとチョコレートに熟したプラムでしたね。とってもおいしかったです。アルコール度も 14% だし!

 赤の代表品種・カベルネ・ソービニョンも入れる余地がなかったのでちょっと残念ですが。
 参考価格。今回は10ポンド前後で選びました。主にワイン品揃えの良いスーパー、ウェイトローズからですが、ご参考までに。自分ひとりでは普段飲みにはこういう価格帯は買わないけど、テースティングすると、いろいろ飲めて楽しめるから、そこから自分の好きな味、というのを見つけたらいいと思います。

1) £6.99  いつもは £8.99 らしい。。。お買い得?
2) £8.96   3) £7.99   4) £11.99   5) £11.29    6) £8.69

 うんちくとしては、旧世界では(特にフランス)、ぶどうの品種はラベルに入れない(地方と作り手でわかるようになっている、それがわかるのが通と思われている)のに対し、新世界はぶどう品種がワインの名前になっているのでわかりやすいです(ヴァラィェタル・ワインといいます)。最近は旧世界でもぶどうの品種を入れるところもありますが、新しいです。


 そう、せっかくおいしい料理、おつまみを作っていただいたのに、食べるのに必死で料理の写真撮るの忘れてました!ごめんください。ごちそうさまでした。

 覚えてるだけ、入れとくと。
おつまみ(カナッペ各種 ダック・ソーセージ、ブリ、ダックパテ、インドのなんでしたっけ、ベジパテみたいなの)いわしのパン粉焼き、スプリング・ラムとスプリング・アスパラガス、ブロッコリのわかめサラダ、おにぎり各種。にデザート。最後にデザートワイン的キャラメル味のウォッカまでいただけて。みなおいしかったです。

 テースティングは5月15日でした。

コメント

  1. 素晴らしいアイデア、ありがとう...

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  2. こちらこそ、コメントありがとうございました。この最後のピノタージュ、Wスーパーにはもうないのですよん。見つけたかたどこで売ってるか?教えてくださいませ。

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