番外編 エドフのホルス神殿とコム・オンボ
エドフ ホルス神殿 塔門
2月4日(木)4日目。
前日、王家の谷から帰船して、エスナを越し、エドフに着いた。エスナでは水門を通るというイベントがあったのだが、日程とは前後するが、後に記すとして、この編はエドフとコム・オンボに絞ってみたい。
またまた6時半起床。7時半の出発に備える。エドフにはホルス神殿という大きなハイライトがある。ガイドいわく、ギリシア式エジプト神殿。アレキサンダー大王がエジプト攻略に来たときに作ったものだが、エジプト民の懐柔策として、この神殿をつくったという。古代エジプト神のなかでも、オシリス・イシス神話にもでてくるなじみのある重要な神のひとりであるハヤブサの神ホルス。
神殿建築の基礎をしっかり残している比較的新しい(紀元前ですけど)保存状態のよい名建築である。基本は左右対称。
塔門、中庭、列柱室、一番奥が至聖所、という基本に忠実な神殿の手本のような建て方である。
でっかい塔門があり、レリーフは古代エジプトの神々である。列柱室にはおなじみパピルスの柱。天井の絵も色も残っている。図書室や香の調合室まである。前庭と中庭には「おこった顔」のホルス像(なんで怒ってるかは、オシリス神話による 前編参照)、一番奥が至聖所となり、昔は最高位の神官とファラオしか入れなかったところに神輿が置かれている。ここでうちのガイドさんが英語で説明していたらうしろに聞きなれた言葉の団体がどっと入ってきた。日本語だ!!思わず後ろの日本人ガイドさんの説明に聞き耳を立てる。ここでもたくさんの日本人相手の日本語で説明しているエジプト人ガイドさんたちがいた。日本人マーケットってすごいね。日本語だとなんてわかりやすいんだしょう。
ここはどこでも写真撮りまくりオッケー。なので、ばしばし。レリーフのの顔が擦り取られているのはあとから来たキリスト教徒のしわざ。よくありますねえ。古代エジプト神話は多神教。キリスト教は唯一無二の神ですから。
列柱室
図書館 ↑ ↓
神輿のレリーフ
こちらは前庭の冠のないホルスくん
中庭の帽子つきホルスくん・シリーズ。怒っとる、怒っとる
ホルスくんがなぜ怒ってるか、というと、オシリス・イシス神話で、前回入れましたように、父であるオシリスをおじのセト神に殺されたからですよん。
ここにも「天空」あり。
10時半には船に戻り、ランチまで休憩。ほどなく出航して、次の接岸地点、コム・オンボへと向かう。コム・オンボにはワニの神様ソベクを祭る神殿がある。ここは善悪(明暗というべきか)2つの神を祭るめずらしい神殿。このへん、マジでほんとに川沿いに「ワニ」が、いそうだもんね。ぞぞ。
船のスタッフもアスワンの方に行くとワニがいる、と言っておりやした。
午後4時半
コム・オンボ接岸。神殿に徒歩で向かう。
珍しいのが、医療器具(右)や出産シーンと言われているレリーフ
(左のしゃがんでいる女性像2つ)
(左のしゃがんでいる女性像2つ)
高台にあるのでライトアップされた神殿を見るのに、夕方に上陸。川沿いの夕焼けを見ながらライトアップが望めるのがうれしい。ナイルの水量を測るのに使われたナイロメータもある。
これは昔の暦のレリーフ。
一日ずつ、種を植える日、収穫する日などと書き込んである。
真ん中がワニの神様ソベク
我ながら良くできた写真ね!
ナイルの水量を測る、ナイロ・メータ 覗き込むと、でっかい井戸みたいでしたね。
オレンジのスカーフの団体は途中から同じ船に乗ってきたフィンランド人たち。
今晩の夕食はエジプト料理のビュッフェで、そのあとにエジプトの民族衣装ガルベージャを来てパーティがあるが、詳細は「 船内ライフ(工事中) 」にて別途。
2010年2月19日
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..…..February, 2010
この連載すごい。写真が良いし、多いし。絶対写真上手よね。縦長のとっくりみたいな、確か白冠と言ったと思うけど、あれが下エジプトの王冠だっけ? んで、丈が低くて後ろが持ち上がっている、確か赤冠が上エジプト? 白冠の外側に赤冠が来るように被っているのが両エジプトの王を示す、って、昔覚えたような気がするのだけれども、ホルスさん、石像は白だけれども、レリーフは赤の冠で出てくるのね。オシリス神やそれとみわけがつかない(わたsくしには、ってこと)ラー神は必ず白冠か二重冠で、正面にコブラがついてるけど、このホルスくんはコブラつきじゃないんだ。かわいいね。
返信削除ワニ神様のことは知りませんでした。担当は何なのかな。お嫁さんはいるのかな。冠というより頭巾を被っているようにも見えて、なんか、ローカルっぽいというか、親しみが持てそう。
ナイロメーターっていうのは聞いたことはあるけれども、こんなにでっかい井戸とは知りませんでした。地下水位が河の水面と同じ高さになるはず、っていう原理なんだろうね。
そう。確かルーブルでも、どどどどどっと駆け込んできた日本人の集団が、日本語の解説(急いでたらしくて短かった)を聞いてどどどどどっと出ていったのだけれども、むちゃくちゃな日本語の解説を聞きながら、そりゃアンタ簡単すぎるわよ、って思った。その間、フランス語なまりの英語の解説は全然頭に入らず。どこにいても、外国にいるときは、日本語が直接脳に飛び込んでくるような気がしますね。