緊急レポート London Burning

ギリシャ関連連載の途中ですが、巷でえらい騒ぎになっているニュースを取り上げざるを得ません。


ことの発端は、先週の木曜日、８月４日に Tottenham （と書いてトッテナムと読む）でミニキャブにいた２９歳の黒人男性が警官に射殺されたこと由来します。

BBC ウエブから

土曜日にここから若者たちがグループを組んで、抗議のデモをしたことから始まるのです。
この殺されたひとも何かわけがあって警官に調べられたんだと思うけど。にせ銃を所持していたという説も。このあたりロンドン北東部の特に貧しい地域のひとつなのです。


トッテナムから始まった警察への抗議デモは暴徒と化し、すぐ近くのトテナム・ヘィル、ウッドグリーンのショッピングセンターにはマスクした若者たちが、棒や椅子で、店や百貨店の窓ガラスを割って中の商品をごそっと持ち帰ってました。looting というのですが、店に火をかけたり、警察の車を焼き払っています。
昔、アーチウェイ Archway に住んでたとき、近かったのでバスでよく Wood Green のショッピングセンターに行ってました。大きなデパートが建物まるごと、焼け落ちてました。

１４０年５世代にわたって商売してきた店が一夜にして破壊された、って嘆いていた店のオーナー。

ぼろぼろになった通りや駅を住民がカウンシルと協力して掃除しだしています。

ほんと、だれがやるねん。破壊したものがもとに戻せよ。そのエネルギーを別の有益なことに使えよ。

電化製品をぱくっていく若者

８月７日の日曜日には、ロンドン市内中心から東にあたるイズリントン、ハックニー、カムデン、オックスフォード・サーカスの中心から、ウォルサムストゥ（ロンドン北部、何年か前に臨時講師に行ってた学校の近く。ウィリアム・モリス博物館のあるところです）、南部のブリクストン、ウリッチ、レイシャム、クロイドン、ペッカム、クラッパムに暴動が広がり、同じようにガソリンの爆弾で火を放ち、店から金目の商品を略奪する若者がテレビに映っていました。このあたりも黒人や移民の多いところです。
同じように黒人や移民の多いロンドン北西部のキルバーンで起きないのが不思議？（住民の方、ごめんなさ～い、わたしも住んでました）ハックニー、ブリクストンと並び称されていた？からね？？
でも、常識人が多いのか？　

８月８日（月）
夜、日本人も多く、閑静な住宅街の多いEaling イーリングにも暴動が！驚き！ 鉄道と地下鉄駅の終点イーリング・ブロードウェイの駅のすぐ北側にある、緑の公園、Haven Greenでも火事があったということです。ついこの前の週末うろついておりました！


８月９日　今日です。
バーミンガム中心部で日曜日夜から暴動が始まってましたが加えてリバプール、ノッティンガム、ブリストルにも文字通り飛び火しています。


若者たちは示し合わせて　copy cat （テレビで見た映像そのまま真似してやること）している、と言われていますが、フードというの？顔をすっぽり覆って、まさにこそ泥の風体。 テレビで見て、あ、あれ、わしらもやろうぜ、ってやるんだろうね。浅はか。

マスクして店から
盗んだものを持っていく

ショップの窓を椅子で叩き壊している

フード部隊

なぜ、マスクするのか？
正しいことをやってると思うなら堂々とやれよ。
でなければやるな。
警察はCCTV （防犯カメラ）に写った容疑者は全部逮捕する、と言ってるけど、どうなのかね？実際すでに警察は本日は警察官１６０００人を動員し、逮捕と警備にかかっています。防犯カメラに写った人物を公開し、割り出しにかかっています。すでに５００人ほども逮捕されたとか。


土曜日にトッテナムで暴動が起こったとき、現ロンドン市長　ボリス・ジョンソンは（どこへ行ってたのか知らないけど）夏休み中で、「我が警察隊は優秀なので帰国を早めるつもりはない」なんて能天気なことを言ってたのでした。


元ロンドン市長の　ケン・リビングストンは親のしつけがどうのこうの、といまさらの解説。


首相デヴィッド・キャメロンもホリデーにイタリアへ行ってたけど、昨日月曜日遅くに急遽帰国を早めました。そらそやろ。なぜか、大事件って、首相が夏休みのときに起こるのよね。ブレアのときもなんかあったなあ。このひともイタリアにホリデーに行ってて途中で帰ってきたのよね。あれも学生の暴動だったのか？こんなに大きくなかったと思うけど。学生も夏休みで暇だからか？


来年はオリンピックというのに、ほんと恥ずかしいよねえ。
オリンピック委員会は２０１２年の安全は保証する、ってんだが、どうやって？言い切れる？


今週ロンドン市内やウエンブリーで予定されてたサッカーの試合や親善試合もキャンセルされました。


今朝、会社のキャンティーンで朝食食べてました。大画面テレビがおいてあるのですが、このニュースばっかり。黒人だから、と差別されてると言うのはおかしい、黒人白人に限らずそういうことをやってるからだろう、っていっしょにテレビ見ていたキャンティーンのスタッフ、ポーランド人の白人のおねえちゃんが言ってました。親はどこにいるの？わたしの子供があんなことしてたら許さないわよって。


そのあと、また警備スタッフらしいおじちゃんとテレビを見ながらしゃべってて｢ひどいわね、信じられないわ｣というと、ぼくのホームランドでは良くあること、と言うのです。え～、アジア系の顔してるけど、このひと、どっから来たの？と思っていたら。
イーリングに住むスリランカ人
昨夜９時ごろ帰ったら駅前とかハイ・ストリートに、ものすごい数の若者がいて、警察がブロックして、通れなくしていたらしい。略奪するのはスリランカではよくあること、ってしゃーしゃーと言うのにまたのけぞってしまいました。


東北大地震のとき、略奪や暴動が起こらず皆きちんとしていたのが(若干強盗などもあったようですが）不思議とアメリカ人や西洋社会には考えられて、日本人ってホント礼儀正しいと写ったようですが、日本ではふつ～のことが、こちらでは、そういうのがなくても起こるのね。
人災だよ、こりゃ。
最近の政治的問題からエジプトやシリアで暴動が起こっているのとはまた違う。もちろん、警察も武力で対抗せず、バリケード張って守ってるだけです。プラスチック弾や、水の大砲？(消防車の水みたいにホースで水を撒いて人をけちらす）を使うという案も出たらしいけど、ロンドンはやらない、ということになったらしい。あと、軍隊を参加させるという案もなしとなり。今夜は警官をロンドン市内に１６０００人配置です。


今日は警察の警護のおかげもあってか、ロンドン市内の店は早めに閉まり、ゴーストタウン化しているといううわさですが、今夜はマンチェスターで起こっているようです。


若（バカ）者たちは示し合わせたかのように、集団でやってるんだけど、なんでやろ？
どっからこういう引火物をさがして持ってこれるのか？
警察の車を燃やし、店の窓ガラスを割り。。。。スポーツ用品や電化製品が盗まれたようです。そう、これは盗み、犯罪やで！エンフィールドにある、日系メーカーの工場もやられたようです。


ほんとに若者は何考えているんだか。
メイドンヘッドは田舎なので、静かですが、この前の週末、ショックでした。前を歩いている５-６人のティーンエージャーの集団からタバコの匂いがするので、ふと見ると、どう見ても１５歳以下としか思えない少年が、タバコ吸ってるんですね。
おばさんして何か言ってやろうかと思いましたが、なぐられてもいやだし、こっちはひとりだから、やめました。でも、｢あんたたち何歳？｣｢何歳からタバコ吸えるか知ってるの？｣｢タバコは体に悪いのよ、早死にしたいの？｣とか言ってやりたかったわ。


会社で３０歳くらいの英人同僚にその話をしたならば｢ぼく、１６歳から吸ってた｣やて。ずるると椅子から滑り落ちそうになったわ。昔は１６歳から吸えたそうで、今はちなみに１８歳からです。


今日になって、警察には任せておけない、と地元の住民が立ち上がり、自分たちの町を暴動から守ろうとしています。騒然となった残骸の片付けをしだしてもいます。壊された店のバリケードの上に｢平和的に抗議しよう｣｢暴動はやめて！｣というメッセージが。


暴動の若者たちは｢おまえらは金持ちだ、おいらたちは貧しい、だから盗んでもいいんだ｣と電化製品を盗っていったらしいですが、なぜ、貧しいのか？貧しいから盗んでいいのか？これは犯罪だ、と警視総監ははっきり言っておりましたが、自分でやった始末は自分でつけねばなりません。
物を壊したから、盗んだから、と言うのが解決にはならないと思うし、死んだ人への抗議にもならないと思うのです。


日本から心配メールもありがとうございました。わたしは田舎にいるので大丈夫よ。わたしの動向を知るにはこのブログをチェックしてくださいね。またロンドンに行かねばならんのに、早くもとの静かなロンドンに戻ってほしい。


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